10月02日~10月08日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のApplニュース一気読み」。
先週のシリコンバレーは、Bloomberg Businessweekの特集記事「The Big Hack」に揺れた。
記事は、シリコンバレーでも著名なサーバ向け製品大手のSupermicroのマザーボードに、設計図にない、米粒にも満たないようなサイズのマイクロチップが埋め込まれており、サーバを監視し、知財などを盗み取る目的で使われていた、という内容だ。
AppleやAmazon、中国などの関係者が認めた話としてBusinessweekは報道しているが、Apple、Amazon、Supermicro、そして中国外交部は完全に否定している。Appleはさらに、議会に対して報道を否定する書簡を送っており、より強靱な抗議の姿勢を示していることが分かる。
もちろん、いずれの当事者にとっても、わずかでも肯定することはできない内容だ。Appleはセキュリティやプライバシといったデジタルデバイスやサービスにおける「信頼性」をブランドの重要な価値として広めてきた。そのAppleのサービスの根幹となっているサーバの情報が中国に筒抜けの状態だったとすれば、回復できない重大なリスクとなる。
そのため、この事実が存在していたことを認めることは絶対にできないが、この件で嘘をつくこともまた、できないのだ。
Amazonも、Supermicroのサーバ製品にマイクロチップが仕込まれていたことを認識していないと否定している。Businessweekの記事は、Amazonが動画関連技術の企業Elementalの買収におけるデューデリジェンスで、不審なチップを発見したというストーリーになっている。
Elemental買収はAmazonの映像関連サービス向けだけでなく、官公庁、特に捜査当局向けのソリューションのためであったこともあり、この問題が事実であれば、そうした契約に向けた取り組みが水泡に帰す。
ちなみにGoogleは、さして流行っていなかったGoogle+の50万人規模のユーザー情報にアクセス可能になっていたことを、ユーザーに通知していなかったセキュリティ上のスキャンダルが発覚し、官公庁向けの入札からの撤退とGoogle+の終了を余儀なくされた。
情報にアクセスする側とされている中国もまた、サイバーセキュリティを推進する立場だとして否定している。その一方で、米国は中国に対して、知財保護や安全保障上の問題から、これまで通信機器のインフラへの活用や官公庁での採用を避ける措置が執られている。さらに、米中貿易戦争も激化しており、Businessweekの今回の記事も、中国に対するネガティブな報道として、トランプ政権を後押しすることになるだろう。
ただし、ユーザーにとっては逃げ場のない話かもしれない。中国は、生活必需品となっているPCの95%、スマートフォンの75%を製造している。マイクロチップの真偽は別にして、われわれの生活の中で、そうしたリスクを避けることは、ほぼ不可能になっているのだ。
アップルとアマゾン、中国製スパイチップがハードウェアに組み込まれていたとの報道を否定(10/5) アップル、中国製スパイチップ報道を改めて否定--議会に書簡(10/09)米国のデューク大学、アラバマ大学、オクラホマ大学では、iPhoneやApple Watchに内蔵されたNFCを用いて、学生証をスマートデバイスに入れることができるようにするソリューションを開始する。iOS 12、watchOS 5によって実現するこの機能により、図書館や学生寮への入館、カフェテリアでの食事代の支払いなどを、iPhoneやApple Watchで行えるようになる。
iPhoneとApple Watchには、2014年からApple Payが利用可能となっており、米国から世界中の国々へと決済プラットホームが拡大している。Appleはより多くのカードをiPhoneの中に収めたいと考えており、今回学生証がその対象となった。
2019年5月までに、ジョンズ・ホプキンス大学、サンタクララ大学、テンプル大学にも拡大する予定だが、学生証への対応にはAppleとのパートナーシップが必要となる。
「iPhone」や「Apple Watch」が学生証代わりに--米3大学で入退館や決済に採用(10/3)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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