フェノックス・ベンチャーキャピタルは10月5日、「スタートアップワールドカップ 2019 日本地域予選」を開催した。150社以上のエントリー企業の中から10社を選抜。最終審査会において、日本代表となる1社が選ばれた。
スタートアップワールドカップは、米国シリコンバレーを拠点とする投資会社フェノックス・ベンチャーキャピタルが主催する世界規模のイベント。予選を勝ち抜いた各国の代表が優勝投資賞金約1億円をかけて競い合う。2017年に始まり、今回が3回目。1回目のチャンピオンとなったユニファは日本代表のスタートアップ。お昼寝中の体の傾きチェックや連絡帳など、アナログな作業の多い保育士の仕事をデジタルでサポートする「スマート保育園」を推進している。
前回は27カ国で予選会が開かれたが、今回は40カ国へと規模を拡大。日本代表に選ばれると、2019年5月に米国シリコンバレーで開かれる「スタートアップワールドカップ2019 決勝戦」に勝ち進める。
各社のプレゼンテーションは、持ち時間が5分30秒。30秒で企業紹介の動画が流れ、その後プレゼンが3分30秒、審査員からの質疑応答が1分30秒。企業の代表は英語によるプレゼンが基本で、いずれも時間内に終わらなければ時間切れとなり、その場で打ち切られる。
審査基準は、(1)事業化の経緯、問題意識、(2)市場規模・ニーズ、(3)ユーザー数や売上の伸び率を示すトラクション、(4)競合他社との比較、(5)ビジネスプラン、(6)チーム構成、メンバーの経歴や経験、(7)プレゼンテーションの7つ。10人いる審査員が各10点の持ち点で審査をする。審査員からの得点に加え、約1200人が集まった来場者からもSNSを使って審査に参加する方法が取られた。これはTwitterで各企業のハッシュタグをつけてツイートすることで、メンション数を審査に30%加味するというもの。各プレゼン後にはハッシュタグをつけた投稿を積極的に呼びかけていた。
世界大会で優勝すると、優勝投資賞金のほか、200以上のメディアが取材に訪れる場でプレゼンができたり、フェノックス・ベンチャーキャピタルを介して大手企業とつながりが持てるなど多くのメリットが得られる。日本大会では、サントリーホールディングスとサントリー食品インターナショナルから、サントリーグループとの事業提携に関する面談、交渉の機会が与えられる「サントリー賞」と、セガサミーホールディングスよる投資金額5000万円の「セガサミーグループ賞」が設けられた。
審査員は、インフォテリア 代表取締役社長/CEOの平野洋一郎氏、内閣府 科学技術・イノベーション担当の石井芳明氏、日本マイクロソフト 業務執行役員マイクロソフトテクノロジーセンター センター長サイバークライムセンター日本サテライト責任者の澤円氏、デロイトトーマツベンチャーサポート事業統括本部長の斎藤祐馬氏、ZUU 代表取締役の冨田和成氏、Plug and Play Japan Managing Partnerのフィリップ 誠慈 ヴィンセント氏、WeWork Japan CEOのクリス・ヒル氏、ボードウォーク・キャピタル 代表取締役社長 APAMAN アドバイザーの那珂通雅氏の8名。プレゼン終了後には「海外展開は」「同様のビジネスに比べての強みは」「特許をとっているか」などの質問が飛んだ。
日本代表には、繊維リサイクル、プラスチックリサイクルを手がける、日本環境設計が選抜。サントリー賞には、SNS間での多言語同時翻訳サービスを提供するKotozna、セガサミーグループ賞にはライフイズテックがそれぞれ選ばれた。
フェノックス・ベンチャーキャピタルの共同代表パートナー兼CEOのアニス・ウッザマン氏は「過去2年くらい、大手企業も元気するスタートアップがテーマ。第1回に出場してくれたユニファは世界でナンバーワンになって日本に帰ってきた。すでに多くの投資家から決勝戦を勝ち抜く会社に投資したいという話もあり、ファンドも立ち上げた。優勝企業は次のソニーや富士通のような有名ブランドになれるだろう」とコメントした。
最終選考まで残った10社は以下の通り。
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