孫社長と豊田社長が手を組んだ理由--「ドアを開くと必ず孫さんが前にいた」 - (page 3)

山川晶之 (編集部)2018年10月05日 20時25分
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 出資の面では、トヨタとソフトバンクではカルチャーが少し異なる。豊田氏は、「資本でまず一緒になって量を拡大する方向はとっていない。もっといい車を作ろうという同士であれば、オープンに“この指とまれ”のような感じでアライアンスを増やしている。そちらのほうがトヨタらしいのではないか」とした一方、孫氏は、「トヨタは自ら作ってオペレーションする側。我々は、創業者に支援する群戦略。トヨタが中心に事業を起こし、技術開発する。そして、我々のファミリー会社がAIを作る。ソフトバンクは両者を仲介して、ファミリー作りを支援する」方法を取るという。

 未来のモビリティ社会について聞かれた豊田氏は「ウォーレン・バフェット氏からも同じこと聞かれた。私の即答は『わかりません』と申し上げた。未来がどうなるかは私にはわからないが、こだわりたいのはひとつ。数ある工業製品の中でも自動車には(愛車など)“愛”が付いている。どんなAIであれ、Autono-MaaSであれ、どんな電動化であれ、単なる移動手段のコモディティではなく、愛がつくエモーショナルな移動手段にしたいというのが唯一の想い。ソフトバンクのビジョンは、まさしくモビリティAIで仰っていると思う。具体的にこうとは言い切れないが、ビジョンは同じだという気持ちでワクワクしている」とした。

 孫氏も「今までの自動車と違いがあるとすれば、ネジやボルト、ナット、オイルまみれだったのに代わり、半導体の塊になっていく」と述べる。サムスン創業家との会食で、「これからのサムスンの将来はモビリティだと力説していた。今までは、スマートフォンが30%を占め、自動車向けは1%だった。これから10~20年で自動運転時代になると、モビリティ用半導体が彼らの出荷の40%ぐらいになるという」と半導体業界からの視点を紹介。「マイクロコンピュータのチップに始まり、PC、スマートフォンを経て、インターネット、AIにつながる。ネットや半導体革命の延長線上に全てある。我々は延長線をずっと歩いて、トヨタと交わる時が来た」と述べた。

豊田氏「一度、創業者というものに迫ってみたかった」

 また、孫氏の印象について聞かれた豊田氏は、「叩き上げの創業者」と述べ、「創業者はどこを向き、何を悩んでいるのか、どうやって(ビジネスを)やっているか、それに加えて高い志を持たれている。そこが私が孫さんに非常に憧れるところ。ど根性精神や負けてたまるかという気持ちは、アスリートと共通しており、共感できる」としたほか、「一度、創業者というものに迫ってみたかった。(孫氏という)“リビング創業者”に迫ることで、豊田佐吉(トヨタグループ創業者)や豊田喜一郎(トヨタ自動車創業者)に迫るヒントを与えていただけるのでは」と、創業家出身の3代目社長である豊田氏ならではの見方を述べた。

 代わって、豊田氏の印象について孫氏は「継承する方がはるかに難しいと思う」と語る。「うまくいって当たり前だと言われるし、うまくいかないと『ほら見ろ』と言われる。すでに世界1位。1位の次は1位であり、ずっと保たないといけない」と述べ、「創業者のように次々に新しいことを打ち出しているし、ご苦労されたような記憶もあるが、たくましく這い上がっていく。まさしく創業者のような方だと思う」と評した。

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