「不動産会社と売り主のミスマッチをなくしたい」--コラビットが提案するフェアな売買取引 - (page 3)

どう使い、何で補うか、AIだけに頼らないサービスを提供する

――現在の社員構成を教えてください。

 不動産経験者は2人、エンジニアが6人という構成です。私自身はエンジニア出身ですから、不動産の実務経験者がいるのは心強いですね。ユーザー目線でサービスを作る一方、不動産業界での正解みたいなものを示してもらえるので、とても助かっています。

――対象としているのは実際に人が住んでいる物件ですか。

 はい。自己居住用の不動産を対象にしています。逆にいうと投資用不動産などいわゆるオーナーチェンジ物件には対応していません。オーナーチェンジしても、収益を受け取る人が変わるだけで居住の流動性は変わらないと考えているからです。まずは居住用の不動産にフォーカスしています。

 HowMaやHowMaスマート不動産売却は、APIで不動産仲介会社や金融機関などに導入していただいているのですが、取り入れることで査定反響が4.8倍になったという結果も出ています。

――今後の取り組みは。

 AIは全知全能ではなくて、限界点が必ずあります。不動産の価格推定で言えばデータ量が圧倒的に足りない。そこは研究と日々のチューニングの積み重ねで、やり続けるしか方法はありません。データが無いことを嘆くのではなく、今あるデータをどう使って、どう補うかを考えることが、必要だと思っています。

インタビュアー

赤木正幸

リマールエステート 代表取締役社長CEO

リマールエステート株式会社 代表取締役社長CEO 森ビルJリートの投資開発部長として不動産売買とIRを統括するとともに、地方特化Jリートの上場に参画。太陽光発電パネルメーカーのCFOを経て、三菱商事合弁会社の太陽光ファンド運用会社の代表取締役社長に就任。クロージング実績は不動産と太陽光発電事業等を合わせて3,500億円以上にのぼる。 2016年に不動産テックに関するシステム開発やコンサル事業等を行なうリマールエステートを起業。日本初の不動産テック業界マップを発表するとともに、不動産テックに関するセミナーや研究会などを多数開催するほか、不動産企業やIT企業に対して様々なコンサルを提供。自社においても不動産売買仲介プラットフォーム「キマール」を開発するなど、日本における不動産テックの第一線で活動。2018年8月に設立される不動産テック協会の共同代表理事へ就任予定。 政治学修士と経営学修士(MBA)を取得後、コロンビア大学院(CIPA)、ニューヨーク大学院(NYUW)にて客員研究員を歴任。

 

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