ファーウェイは10月2日、SIMフリースマートフォン「HUAWEI nova 3」と、GPSを搭載したスポーツリストバンドの最新モデル「HUAWEI Band 3 Pro」を発表した。前モデルの「HUAWEI nova 2」はauから発売されたが、後継機となる今モデルはSIMフリー市場向けとなる。発表会には多くのMVNOからゲストが招かれ、協調姿勢をアピール。昨今、成長の鈍化が指摘される格安スマホ市場を盛り上げる、起爆剤となるか注目される。
HUAWEI nova 3は、auから発売中のHUAWEI nova 2の後継機種で、約6.3インチ、2340x1080ピクセルの大画面を採用。SoCには「HUAWEI Mate 10 Pro」「HUAWEI P20/P20 Pro」など、同社のハイエンドモデルと同じ「Kirin 970」を搭載し、RAMは4Gバイト、ストレージは128Gバイトを備える。
Kirin 970には、機械学習に特化したNPU(ニューラルネットワーク・プロセシング・ユニット)が搭載されており、約2400万画素のモノクロレンズ、約1600万画素のカラーレンズからなるダブルレンズカメラでは、AIを用いて22のシーンを認識し、最適な設定での撮影が可能。リアカメラだけでなく、フロントカメラにも約2400万画素+約200万画素のダブルレンズを採用しているのが大きな特徴で、フロントカメラでもAIを用いて8つのシーンを認識できる。
さらにフロントカメラは、AIを用いたビューティーモードや、HDRをリアルタイムにプレビューできる「HDR Pro」にも対応。人物も背景もきれいに撮れるほか、顔の表情を認識してARキャラクターに反映できる「3D Qmoji」など、遊び心溢れる撮影モードも搭載する。このほかバッテリは3750mAhで、付属の充電器使用による急速充電も可能。生体認証は指紋のほか顔認証にも対応し、SIMスロットはDSDS仕様。国内3キャリアのネットワークに対応するが、au VoLTEにはアップデートでの対応となっている。
発表会にはイオンモバイル、OCN、mineo、ニフティ、ビッグローブなど、多くのMVNOを代表するゲストも登壇し、HUAWEI nova 3へ期待を寄せた。たとえば、イオン商品管理本部 モバイル事業部 事業部長の井関定直氏は、「HUAWEI nova」シリーズのブランド力に着目。呉波氏によれば、同シリーズは若者や女性を中心に、グローバルで5000万以上のユーザーを獲得しているという。イオンモバイルのメインユーザー層は40~50代だが、HUAWEI nova 3で「20代の若者や、TikTokなどの動画投稿を楽しんでいる若い世代にもアプローチしたい」と語った。
また、mineoを展開するケイオプティコム モバイル事業戦略グループ グループマネージャーの上田晃穂氏は、HUAWEI nova 3の採用理由を「mineoで提供している、3キャリアのいずれのネットワークにも対応していること」と説明した。ニフティ執行役員 ネットワーク事業部長の益田巧氏は、HUAWEI nova 3の性能やコストパフォーマンスの高さに加えて、ファーウェイ製品の故障率の低さを、ビッグローブサービス企画本部 本部長の下村友厚氏は大容量バッテリを採用理由にあげ、好調の「HUAWEI P20 Lite」同様の売れ行きを期待すると語った。
このほか、当日欠席した楽天 執行役員 コミュニケーショーンズ&エナジーカンパニー 楽天モバイル事業 事業長の大尾嘉宏人氏からもVTRでメッセージが寄せられるなど、ファーウェイとMVNOの協調姿勢を印象づける発表会となった。
HUAWEI nova 3は市場想定価格5万4800円で、発表会で登壇したMVNOをはじめ、家電量販店、オンラインショップなど「SIMフリースマートフォンを扱う全チャンネル」で、10月5日から販売予定。あわせて同日からビックカメラ新宿東口店にファーウェイのショップinショップが開設されることや、同店舗内にファーウェイのサポートセンターが設置されることも明らかにされた。
なお、発表会ではこのほか、以前からリリースが噂されていたファーウェイ独自のアプリスストア「App Galally」の日本での提供開始についても正式にアナウンスされた。呉波氏によれば、同ストアはすでに世界130の国と地域で提供されており、同社製SIMフリースマートフォンのユーザー向けに1000以上のプレミアムコンテンツを提供中。またコンテンツホルダーやアプリベンダーはApp Galallyを活用することで、「世界130の国と地域に向けてプロモーションを展開できる」とアピールした。
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