働き方改革が進められる今、コミュニケーションの効率化が注目されている。こうした中で「コミュニケーションツールを入れるだけでは変わらない」と主張するのが、Salesforce上で稼働するグループウェア「mitoco」を提供するテラスカイだ。
本稿では、9月13日に開催された「CNET Japan Conference 2018 ビジネスコミュニケーションツールセミナー」にて行われた、テラスカイ 取締役執行役員製品営業本部本部長 松岡弘之氏による講演の模様をお伝えする。
テラスカイはクラウドをベースとしたシステムインテグレーションを行う企業。クラウドインテグレーション事業では、クラウドベースのCRM(顧客管理)やSFA(営業支援)を行うアプリケーション「Salesforce」との協業を中心としており、その売り上げが90%を占めている。また、近年はクラウドインテグレーションにより感じた業務課題を、個別ではなくサービスとして提供する製品事業にも力を入れているという。
松岡氏はまず、総務省が2018年に発表した「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」のデータを提示した。「社内SNS、テレビ会議・ビデオ会議、チャット、電子決裁、勤怠管理ツール、プレゼンス管理ツールの各項目を見ると、まだ30%ぐらいしか導入されていない。つまり、これから導入が始まるところだ。グローバルと比較してみると、圧倒的に日本の導入率は低い」(松岡氏)と、日本のICTツールの現状を話す。
さらに、同調査にあった「ビジネスICTツールの導入状況と職場の働きやすさとの関係(日本)」を挙げた。「ツールを入れた職場と入れていない職場での満足度はほぼ同数。これでは、働き方改革になっていない。単純にICTツールを入れただけでは社員のモチベーション、経営者が期待する結果は出ないということ」(松岡氏)
「ビジネスシーンで営業担当者が管理しなければならないツールは非常に多い」と松岡氏は指摘する。ビジネスチャットを使うとやりとりは速くなるが、ツールが複数になると二重入力が発生するといった弊害も起きる。マネージャー視点においても、業務ごとのツールを確認しなければならないため、営業担当者へのアドバイスまでたどり着かないといった問題が起きてしまう。
そこで、松岡氏は「コミュニケーションを加速化させるだけではなく、その元となるモノを一元管理することが基本。そのためにSalesforceは最適」と主張する。SalesforceはCRMのコンセプトですべての情報を一元管理することができ、高いセキュリティと拡張性があるという。「顧客のビューですべての情報を繋げて管理できるところがポイント」と松岡氏は語る。
松岡氏はSalesforceのメリットを3つの立場から紹介した。ある経営者の場合、経営者が中心となってさまざまな部門とコミュニケーションをしている。コミュニケーションが効率化されても、各部門の情報は共有されていないため、分断された情報を連携するところに負荷が掛かってしまう。Salesforceを導入すると、各部門の情報を共有することができる。その結果、顧客のニーズを反映した提案や、顧客中心の経営ができるようになる。
営業担当の視点では、複数のビジネスツールを入れると作業が煩雑化する。しかしSalesforceは情報が集約されるので、入力負荷が下がって活動しやすくなる。
営業マネージャーの視点で見ると、断片的な報告を受けても、その活動が会社的に正しいのか、いろいろな情報を見て探らねばならない。Salesforceを導入すれば、さまざまな活動が一元管理できるのでコミュニケーションを高速化することができ、管理の効率化、営業力の強化へと繋げることができる。
松岡氏は「究極の目標はSFAである。大量の見込み客を見つけてきて案件化し、それに対して提案をし、勝率高く受注する。このプロセスを効率化するために、Salesforceが情報を一元管理する。さまざまな視点から最適な提案を顧客にすることが可能になる」とSalesforce導入のメリットをまとめた。
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