次に、テラスカイが開発した「mitoco(ミトコ)」の紹介へと移った。mitocoは、Salesforceをコミュニケーションプラットフォームにするというコンセプトで作った製品となっている。
「社内には、社内イントラとかグループウェア、紙の情報、個人のPCの情報が散在している状態では、コミュニケーションの活性は難しい。それをSalesforceのプラットフォームを使ってmitocoが一元管理する。その結果、SFAだけでなく社内のコミュニケーションを効率化、活性化することができる」と、松岡氏はmitocoの狙いを語る。
mitocoは、グループウェアの機能だけでなく、顧客管理を持っているという特徴がある。mitocoと一緒にSalesforceを使うと、顧客管理が共有できる。また、外部ユーザーとのコミュニケーションや、プラットフォーム自体の機能拡張もできる。
松岡氏は、ユーザーがmitocoを選ぶ理由として、上記以外に処理プロセスの自動化や年3回のバージョンアップを挙げる。また、Salesforceと一緒に利用しているユーザーは、開発ボリュームの削減も狙えるという。「クラウドアプリケーションとはいえ、個別開発の必要性はまだ残っており、その後の保守が大変だという問題がある。しかし、SalesforceはAPIを持っているため、個別にアプリと連携できる。納期が早くなり、コスト削減にも繋がる」(松岡氏)
mitocoを実際に導入した企業はどうだったか。はじめに、三菱UFJファクターの事例が紹介された。「社内のイントラネットやオンプレミスCRMで長く使われたモノが残っていたが、mitocoの導入で社内情報の共有を実現した。アカウントの運用やセキュリティが情シス側から見えやすくなり、運用管理もしやすくなったと聞いている」(松岡氏)
デジタルデータソリューションは、承認ワークフローをmitocoを使って共通化した。「それぞれの業務が専業化されており、ひとつの業務が終わったら次の担当者へ行く業務形態。ワークフローで管理しており、Salesforceとは分断していた。そこで、mitocoのワークフローを使ってSalesforceの情報と一元管理し、ダッシュボードで可視化した。その結果、どのプロセスがボトルネックになっているか一目瞭然でわかるようになり、経営側がリソースを投入することができるようになった。プロセスが早くなり、大きな効果を体感していただけた。決裁にかかる時間を4割削減できたと聞いた」と松岡氏は述べた。
最後の導入事例は、グループウェアとSalesforceが分断されていたベルニクス。Salesforceと別のグループウェアを併用していたが、カレンダーの情報は連携していなかったとのこと。二重入力が発生するだけでなく、カレンダーに入れない人もいた。そこでmitocoを導入して情報の一元化をしたという。「営業部の活動分析だけでなく、営業部以外の活動分析も役立ったと聞いた。会議の結果のアウトプット、資料を作成するための活動など、目に見えない活動も簡単なUIで登録できる」と、松岡氏はmitocoの活動分析は全社員で活用できることを強調した。
松岡氏は、「コミュニケーションツールを入れると、レスポンスの速さや簡便性は向上するが、それだけで働きやすい環境になったとは言えない。顧客情報やビジネス情報を一元管理して、そこに関連する形でコミュニケーションをすることが一番価値があるのではないか。今後、労働人口が減少していくので、こうしたICTをうまく活用して働きやすい環境を作り、競争力を上げていただきたい」と、働き方改革の一助となるツールのあり方について語った。
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