Facebookは米国時間9月11日、「Rosetta」という開発コード名の新しい人工知能(AI)システムを発表した。同ソーシャルネットワーク上に毎日投稿される数十億件もの画像や動画を読み取って理解する同社のコンピュータを支援するという。この新システムによって、Facebookはより簡単に、同社がヘイトスピーチ対策として設ける規則に違反するコンテンツを検出できるようになる可能性がある。
コンピュータは通常、光学文字認識(OCR)という方法を用いて画像や動画の中の文字を把握するが、Facebookの場合は、毎月22億人という莫大な数のユーザーが同ソーシャルネットワークを利用するので、OCRでは不十分だ。そこで、より大きな規模で処理するシステムを構築したとFacebookは述べた。
FacebookとInstagramの両方で使われているこのシステムは、写真検索の改善や、コンテンツをニュースフィードに表示する処理にも利用できる。Rosettaは、10億件を超える画像や動画フレームから、さまざまな言語のテキストをリアルタイムに抽出することによって、動作する。
Facebookがソーシャルネットワーク上のコンテンツを精査する上でこれが便利になることは間違いない。Facebookは、ミャンマー、スリランカ、インドの暴動を扇動する動きを支援したとして批判されている。同社は8月、Facebookに投稿された偽情報に起因するミャンマーの「憎悪の拡散」を阻止するための対策を講じていることを明らかにした。イスラム教徒ロヒンギャに対して続けられる少数民族迫害を理由に、ミャンマー軍に関連する18のアカウントと52のページを削除したと述べていた。
これとは別にFacebookは11日、同社の自動翻訳ツールに新たな言語を追加したことも発表した。ハウサ語、ウルドゥー語、ネパール語など、24の新言語が追加されたことにより、125を超える言語が翻訳対象となった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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