ライオンは9月6日、新美容機器「VISOURIRE(ヴィスリール)」の開発・事業化をスタートするとともに、クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」でプロジェクトを開始した。
口の中で滑らかに動かすための潤滑ジェルを塗り、ヴィスリールを口に入れる。設定できる音波振動の強度は3段階だ。口の中から頬を押し上げるように動かし、表情筋へ直接アプローチすることで、リラックス効果などが得られるという。使用時間は1回につき5分程度、1日1回~2回程度の使用を想定している。
最近では、口腔内エステとして「オーラルリフレクソロジー」を歯科医などで受けられるところも増えてきている。自身の指で口の裏側を押し続けると、指が疲れてしまったり、自分の指では届きにくい部分があったりするが、ヴィスリールを使うと手軽にエステ効果が得られるという。
ライオン 研究開発本部 イノベーションラボの川崎亜沙子氏は、「皮膚の表面が衰える原因は筋膜のゆがみ。口の中の内側からアプローチすることで、ストレッチの効果を口腔内からもたらす」と説明した。
価格は、VISOURIRE製品本体(ストレッチバー)と、約1カ月分の専用ジェル(20ml)が付いて1万5120円コース(税込)~。支援目標金額は300万円だ。12月26日まで募集し、目標金額を達成した場合、製品の発送は、2019年6月を予定している。
ライオンは、2030年に向けた新経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を策定。「健康、快適、清潔・衛生」をキーワードに生活習慣を“リ・デザイン”することで、毎日の習慣をもっとさりげなく、楽しく、前向きなものにしたいと説明する。
1月には研究開発本部内に「イノベーションラボ」を新設し、新規事業の創出に取り組んでいる。今回のヴィスリールも、次世代ヘルスケアカンパニーを具現化する製品の一つと位置付ける。
ライオンがクラウドファンディングを活用するのは今回の製品が初となる。ライオン 経営戦略本部 事業開発部の藤山昌彦氏は、クラウドファンディングを活用する狙いについて、(1)新領域への挑戦の実現、(2)ユニークな製品の評価の2点だと説明する。
口腔内からのアプローチ、というあまり前例のない製品に、感度の高いクラウドファンディングのユーザーはどう見るのか。また発売前より顧客を獲得できるのは、新領域への事業開発にあたっての有効な施策の一つと捉えているという。支援者の属性や収集した意見を事業検証し、2019年の商品化を目指す。
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