Bespoは8月28日、コミュニケーションアプリ「LINE」と飲食店予約/顧客台帳サービス「トレタ」を利用した飲食店予約サービス「ビスポ!」の提供を開始した。同社は、LINE Venturesとサッカー選手・本田圭佑氏のKSK Angel Fundから出資を受けていた。
ユーザーが、ビスポ!のLINE公式アカウント(@bespo)を友だち追加し、希望の条件や予約日時、食材などをリクエストすると、予約希望日時に空席がある飲食店のみにリクエストが通知される。飲食店はリクエストの対応可否を判断し、ユーザーに自店を立候補する。これにより、ユーザーは検索では見つけられない自分好みの飲食店と出会えるとしている。
予約方法は、「かんたん予約」「わがまま予約」の2種類から選べる。かんたん予約では、時間や人数、予算などをタップしていくだけで最大10件の希望に合う店を探してくれる。わがまま予約では、かんたん予約の内容に加えて、食べたい食材などの“わがまま”を入力して店を探せる。
このサービスによって、飲食店側も空席時に効率的に集客できるようになる。利用料については、実際に予約客が来店(成約)した際にしか発生しないという。また、店舗の空席情報は、予約/顧客台帳サービスのトレタで管理しており、飲食店は無理のない範囲でリクエストに応えられるとしている。ユーザーと飲食店が接客や来店時の様子を相互評価できるシステムも導入。飲食店は悪質な顧客を避けることができ、ユーザーはより評価の高い飲食店を見つけやすくなるという。
Bespoの代表取締役 CEOである高岳史典氏は、日本興業銀行やP&G、ライブドアなどを経て、2013年からラムチョップやワインを楽しめる飲食店「ウルトラチョップ」を運営している。その中で飲食業界には、(1)直前キャンセルによる機会損失、(2)集客が難しい、(3)労働環境や賃金が悪く人材が定着しない、といった課題があると感じ、これらを解決すべくビスポ!を開発したと説明する。
ビスポ!には、8月時点で東京都港区と中央区の約50店舗が参加しており、年内には東京全域、神奈川県までエリアを拡大し1000店舗、ユーザー数10万人を目指すとしている。また、出資先であるLINEと連携したインバウンド展開も視野に入れているという。具体的には、LINEが注力しているタイや台湾、インドネシアなどに展開し、「LINE Pay」による事前決済や割り勘なども可能にする予定だという。
ところで、ビスポ!に出資したLINEは、2017年3月に「LINE グルメ予約」のサービスを終了し、飲食店予約事業から撤退している。今回、Bespoをサポートする形を選んだことについて舛田氏は「飲食店領域には引き続き興味がある。ビスポ!についてはやろうとしていることに非常に共感できたので応援することにした。LINE自体がグルメ予約を再びやる予定は現時点ではないが、AIアシスタントのClovaでビスポ!のお店を予約できるようにする連携などの可能性はありうる」とした。
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