Googleは米国時間8月23日、同社の各種プラットフォームからイラン関連のアカウント58件を削除したことを明らかにした。これらのアカウントは、誤情報を拡散し、人々の意見の対立の種をまくことを狙った、社会的に影響力をもたらすような動きに関連するものだったと同社は述べている。
削除されたのは、「YouTube」のチャンネル39本、「Blogger」サイトのブログ6件、「Google+」ソーシャルネットワークのアカウント13件だ。YouTubeチャンネルの関連動画は、米国で合計1万3466回視聴されていた。Googleによると、それらのアカウントはイランイスラム共和国放送(IRIB)と関連があったという。
Googleの国際問題担当シニアバイスプレジデントを務めるKent Walker氏はブログ記事で、こうした活動に関与するアクターは「当社のポリシーに違反しており、われわれは直ちに、そのようなコンテンツを当社のサービスから削除し、そのアカウントを使用停止にする」と述べている。「また、IPブロックなどの多数の堅固な手法を利用して、イランの個人や団体による広告アカウントの新規作成を防止している」(Walker氏)
Googleによると、そうした活動は少なくとも2017年1月から継続されていた可能性があるという。Googleは、自社の調査結果について議員や法執行機関に通知済みだとしている。
Googleの対応以外にも、米国外からの不正利用を防止しようとする大手IT企業各社による情報開示が後を絶たない。2018年の米中間選挙を前に、シリコンバレーには厳しい監視の目が向けられている。各社の技術プラットフォームはまだ、2016年の米大統領選期間中に、選挙結果に干渉し、有権者間の意見の対立を招こうとするロシアのトロールに利用された動揺から立ち直っていない。
Googleは、サイバーセキュリティ企業FireEyeと連携して、偽アカウントを特定したと述べた。FireEyeは、Facebookでの誤情報拡散活動の特定でも連携している。
Googleは23日、ロシアからの誤情報拡散活動に対抗する取り組みの最新情報も明らかにした。 Googleは、Internet Research Agency(IRA)に関連するYouTubeチャンネル42本を削除した。IRAは、2016年の米大統領選への干渉活動に関与したとされるロシア政府関連のトロールファームだ。42本のチャンネルには、英語の政治動画58本などがあり、米国で合計1800回弱視聴されていた。
またGoogleは、政治活動、ジャーナリスト、活動家、学術機関を標的にパスワードなどの機密情報を盗むことを目的とした政府主導の組織によるフィッシング攻撃も検知したとしている。Googleは、「ここ数カ月」の間に「世界中」のユーザーを標的に、こうしたフィッシング攻撃の試みがあったとしているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。標的となった可能性のある「Gmail」ユーザーには20日に警告メールを送信したとGoogleは述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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