米国のロサンゼルス郡都市交通局(Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority:LA METRO)は、鉄道やバスの利用客をテラヘルツ波(ミリ波)でスキャンし、衣服の下に隠されている武器や爆発物を発見するセキュリティシステム「Thruvision TAC-TS4」を導入すると発表した。歩いている人を離れた場所からスキャン可能なため、混雑する駅などでも人の流れを妨げずスムーズに検査できる。
Thruvision TAC-TS4は、人体から放射されるテラヘルツ波と呼ばれる周波数帯の電磁波をスキャンし、テラヘルツ波が武器などで妨げられることを利用して検査するデバイス。LA METROが米国の運輸保安局(TSA)と共同で試験し、採用を決めた。金属製の武器でも、そうでない武器でも発見できるという。
X線などを使う検査装置と違って電磁波を照射しないため、人体に悪影響を及ぼさない。また、空港などで導入されつつあるボディスキャナでは検査対象者の体形が画像化で露わにされてしまうが、こちらのシステムはそうした問題が起きない。システムは作業机ほどの大きさで、キャスター付きの台に乗せて容易に動かせる。
LA METROによると、交通機関がこの種のセキュリティシステムを導入するのは、米国ではこれが初めての事例だそうだ。
発表会のビデオ(出典:LA METRO/YouTube)
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