GoogleのAI研究がドローン兵器に利用される可能性のある米政府の機密プロジェクト「Project Maven」に関与していたとされた際、同社の従業員数千人がプロジェクトへの協力に反対し、一部は同社を辞職したと報じられた。
The New York Times(NYT)によると、今度は1000人を超える従業員が、別の機密プロジェクトに抗議しているという。中国の検閲関連の法規制に準拠するものになるとされる新しい検索エンジンを構築するプロジェクトだ。
NYTの記事は、Googleが実際にそうした検閲済み検索エンジンに取り組んでいると断言していないが、「Dragonfly」という開発コード名のプロジェクトが実際に存在する可能性も報じられている。従業員らの抗議を受け、Googleは少なくとも、プロジェクトの存在を認める、あるいは否定するなど、同社の意図を説明する何らかの声明を出さざるを得ない状況となるかもしれない。
Project Mavenが議論を呼んだ際には、最高経営責任者(CEO)のSundar Pichai氏が、武器に利用することを目的に同社がAIを開発することはしないと明言するAI倫理に関する原則を示した(実際にはProject Mavenを中断せず、契約期間満了まで遂行して更新はしないと決断したとされる)。
NYTによると、今回の抗議は、1000人を超える従業員が署名したGoogle宛ての書簡という形で、同プロジェクトの透明化と、倫理的審査のプロセスの設置を同社に求めているという。Gizmodoがこの書簡のコピーを入手したという。
書簡には、「現時点では、私たちが自らの業務、プロジェクト、雇用について、倫理的側面から判断するために必要な情報がない。(中略)Googleの従業員は、自分たちが何を構築しているのかを知る必要がある」と記されている。
Googleは8年前、検閲に関する同様の懸念を理由に中国から撤退したが、その後少しずつ中国市場への再参入を進めているようだ。一方、関税やハッキング、国家安全の問題をめぐり、米中間の緊張はますます高まっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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