そしてもう1つ、注目を集めたのがQRコード決済である。中国で人気を博している、スマートフォンを用いたQRコードによる決済サービスは、ドコモがすでに「d払い」として提供を開始している。そして、ソフトバンクも7月27日にヤフーと合弁会社「PayPay」を設立し、ソフトバンク・ビジョン・ファンド出資企業の1つであるインドのPaytmの技術を活用して、秋にQRコード決済サービスを開始すると発表している。
孫氏は「高い専用端末やオペレーションコストを支払う必要がなく、(QRコードの)シールを店に貼るだけでいい。店側に投資が要らない」と、QRコード決済のメリットを説明。日本での普及に関しても「いけると思っている」と、PayPayによるサービスの普及に自信を見せる。
一方、KDDIはまだ正式な参入を打ち出してはいないものの、高橋氏が社長就任時にQRコード決済への参入を表明していた。その内容について高橋氏は「au WALLETポイントプログラムを現金のように利用する手段として、今までプリペイドカードを提供していたが、それにQRコード決済を追加する構造になると思っている」と説明。au経済圏拡大のためにQRコード決済を活用するそうで、基本的にはauユーザーのみが利用する形になること、そして年度内を目標に提供することなどが示された。
そのQRコード決済に関してここ最近注目されているのが、決済サービス利用時に店舗が支払う必要のある、決済手数料に関する動向だ。というのも、LINEの「LINE Pay」が中小店舗の決済手数料を3年間無料にすると発表したほか、ソフトバンクのPayPayもそれに追随する方針を示したからだ。
では、他社はこの動きに追随する考えがあるのだろうか。KDDIの高橋氏は「状況を見ながら対応しないといけない。加盟店だけでなく、au経済圏全体で見ることを考えている」と答えたほか、ドコモの吉澤氏は「検討はしているが、(決済手数料を)ゼロにするということは、他に収益を得る手段が必要。決まったものはない」と回答。決済手数料を取らないようにするには別の収益手段の確保が必要なことから、決済手数料ゼロへの追随には慎重な姿勢を見せている。
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