米Amazonは顔認識技術「Amazon Rekognition」を法執行機関に売り込もうとしているが、米国自由人権協会(ACLU)はそれがいい考えだとは思っていない。ACLUは米国時間7月26日、説得力のありそうな証拠を提供した。Amazonのツールを利用して、犯罪者の顔写真2500枚を米連邦議会議員の顔写真と比較したのだ。
その結果、Amazonのツールは28人の議員が逮捕歴のある人物と似ていると判断した。
当然ながら、これらの議員たちは顔認識技術について疑念を抱くと思われる。Amazonは、ACLUが顔認識をそもそも適切に利用しなかったとしているが、それによってなおさら悪用や誤用が懸念されるかもしれない。
Did you see this? @amazon face surveillance technology FALSELY matched me w/ someone else’s mugshot. I’m outraged & worried by the impact this tool will have on #CommunitiesOfColor when put in the hands of law enforcement! @JeffBezos: We need to talk ASAP. https://t.co/xFOy8duef1
— Rep. Jimmy Gomez (@RepJimmyGomez) 2018年7月26日
Amazonは法執行機関がRekognitionソフトウェアを使用する場合は信頼値を95%以上に設定するよう推奨しているが、ACLUは初期設定の信頼値80%でテストし、顔写真を照合したことが分かっている。
Amazonは米CNETに宛てた電子メールで次のように述べている。「80%の信頼値というのは、ホットドッグや椅子、動物の写真といったソーシャルメディアにおけるユースケースでは許容できるが、かなりの確実性を持って個人を特定するには不適切だ。法執行活動に顔認識を利用する場合、顧客には信頼値を95%以上に設定するよう指導している」
だが、ACLUの弁護士を務めるJacob Snow氏は米CNETの取材に対し、Amazonは必ずしもそれだけの高い信頼値を設定するよう法執行機関に働きかけているわけではないと述べた。警察がこのソフトウェアを使用しようとする場合も、同じくデフォルトで信頼値が80%に設定され、犯罪者の特定に使用する場合でも(信頼値の)変更は求められないという。Snow氏は、「Rekognitionの使用目的も確認されない」と述べた。
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