台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)は、自社の半導体製造工場を停止に追い込んだ原因がランサムウェア「WannaCry」の亜種だったことを明らかにした。
TSMCは記者会見を開き、これまでに判明した内容を説明した。
先ごろ報じたように、Appleの「iPhone」用プロセッサの主要サプライヤーであるTSMCは、「オペレーション上のミス」が原因でウイルスに感染した。TSMCが製造ラインの停止を余儀なくされたのは現地時間8月3日のことで、5日遅くまでには生産能力の80%を回復できた。出荷の遅れや追加コストが発生したことにより、第3四半期の売上高に3%の影響が出る見込みだとしている。
WannaCryランサムウェアによる大規模なサイバー攻撃が世界中を混乱に陥れ、合わせて23万台以上のコンピュータに被害をもたらしたのは、今から1年少し前のことだ。
TSMCは事後調査報告で、あるソフトウェアツールがインストールされた際に、そのツールが隔離されておらず、ウイルスに感染していないことも確認されていなかったと説明している。このツールがネットワークに接続されたときに、WannaCryの亜種が侵入し、コンピュータが再起動を繰り返す事態となった。
また、このランサムウェアは、製造装置や自動マテリアルハンドリングシステム、およびその関連システムのうち、パッチが適用されていない「Windows 7」をインターフェースとして利用するシステムに感染した。その結果、これらのシステムが使用不能になった。
ただしTSMCは、生産情報や顧客データがあるコンピュータシステムはこのランサムウェアに感染しなかったと強調した。
また、感染したシステムにパッチを適用したことも明らかにした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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