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LIFULLら、不動産情報コンソーシアム(仮称)設立へ--ブロックチェーン使い情報共有へ

加納恵 (編集部)2018年07月31日 08時30分
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 不動産情報のあり方が変わろうとしている。LIFULL、全保連、ゼンリン、ネットプロテクションズ、NTTデータ経営研究所、NTTデータ先端技術は、不動産情報の共有におけるブロックチェーン技術を活用したプラットフォームの商用化に向けた共同検討を開始。7月30日、不動産情報コンソーシアム(仮称)の設立を目指し、説明会を開催した。

 不動産情報は、土地、建物ともに、同じものが1つしかない独自情報。しかし、不動産仲介やポータルサイト、物流など、情報の幅、種類、取扱範囲は異なるものの、さまざまなプレーヤーが1つの物件に対し、多面的な情報を持っている。NTTデータ経営研究所の桜井駿氏は「言うなれば、実物の資産は1つだが、情報はあふれている状態」と現状を表現する。

不動産の情報における問題
不動産の情報における問題

 この状況では、物件の賃貸広告が出ていても、入居者がいるケースもあり、実際の不動産の状況と情報にギャップが生じている。こうしたいわゆる「おとり物件」をなくし、かつ、不動産の管理や購入履歴などがきちんと残せる、ユニークな情報管理、情報の共有が求められている。不動産情報コンソーシアムは、不動産情報の管理、共有において、ブロックチェーン技術を活用していく計画だ。

 すでに、2017年12月からLIFULL、NTTデータ経営研究所、NTTデータ先端技術で、物件情報などの不動産情報の共有におけるブロックチェーン技術の活用に向けた適用性検討とブロックチェーン技術を活用したプロトタイプの開発を開始。不動産ポータル事業を手がけるLIFULL、家賃保証サービスを提供する全保連、地図データ事業を展開するゼンリン、決済サービスを持つネットプロテクションズが持つデータを連携し、課題を整理しているという。

複数のプレーヤーが持つ情報を集約
複数のプレーヤーが持つ情報を集約
これまでの取り組み
これまでの取り組み

 桜井氏は「4社のデータだけ見ても情報の範囲や数が異なる。これらの情報を共有しただけでも、一定の情報の正確性やリアルタイム性の担保ができると議論を進めている。今後は物件に関わる情報を業界横断型で取得し、なるべく公的なものに近い取り組みにしていきたい」と説明する。

不動産コンソーシアム(仮称)の全体像
不動産コンソーシアム(仮称)の全体像

 会場では、「不動産情報の共有に向けた期待と狙い」をテーマにしたパネルディスカッションも開催。全保連 業務企画部企画一課長の中村大輔氏、ゼンリン DB戦略室専任部長の高木和之氏、ネットプロテクションズ カスタマーサービスグループマネージャーの高木大輔氏、LIFULL LIFULLHOME'S事業本部 事業支援部 不動産情報バンク推進グループの松坂維大氏、NTTデータ先端技術 Business Consulting事業部フィンテック&技術戦略推進部 ディレクターのセウェカリ・シタル氏が登壇した。

 全保連の中村氏は「不動産の取引はファクスと紙が大前提。入居、物件情報はあっても手書きの紙。これを共有するには、データ化するコストがかかる」と、業界特有の問題点を指摘。ゼンリンの高木氏も「地図データの取得方法はいろいろあるが、その1つは実際に現地に人が赴いて確認していること」とアナログでデータを集めている現状を明かした。

 実際にデータ構築に携わるNTTデータ先端技術のシタル氏は「今まで情報の囲い込みだったビジネスから共有することでどう展開していくのか。面白い展開になっていくと思い、期待して参加している」と参加する意義を話す。

 一方で、すでに物件情報のデータ化に取り組むLIFULLの松坂氏は「物件データの重複率は高く、無駄になっているケースも多い。不動産会社1社が扱う情報量も増えてきているため、このままでは管理しきれなくなる。情報のシェアリングは今後必要になってくると考えている」とコメント。ネットプロテクションズの高木氏も「利用者が善良だとしても住所表記を間違えると、請求書が届かず、私たちのサービスを利用できなくなることがある。不動産情報を正しく利用すれば、こうしたトラブルは起きず、引き続き決済サービスを使える」と情報を共有することで、サービスの可能性も広がるとした。

「不動産情報の共有に向けた期待と狙い」をテーマにしたパネルディスカッションも開かれた
「不動産情報の共有に向けた期待と狙い」をテーマにしたパネルディスカッションも開かれた

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