LIFULLは7月9日、台湾の不動産大手「台湾房屋」と業務提携を結び、日本の不動産を台湾の投資家向けに提供開始すると発表した。LIFULLが選んだ日本の不動産を台湾房屋を通じて、台湾から購入できる。
台湾房屋は、台湾でベスト3に入る不動産大手。店舗数約400店、従業員数約4000人を数え、2014年には東京支店も開設している。「当時は新築マンションを中心に展開していたが、価格が高く、日本国内でも人気があるため、なかなかいい物件に巡りあえなかった。その後、中古物件に方向転換したが、こちらも日本国内のルートがないと、物件が手に入りづらい」と、台湾房屋総執行長のYu Ming-Tung氏は、日本の不動産市場参入を振り返る。
今回の提携により、LIFULLが台湾房屋向けに日本の不動産物件を選別。スタート時は東京、神奈川(横浜)、大阪、京都、福岡の不動産情報を提供し、台湾の投資家は掲載物件から好みの物件を選べる。「物件数の多いLIFULLと提携することで、投資家は多くの物件から選ぶことができる」(Yu氏)と期待を寄せる。
いずれも台湾で人気のエリアとなっており、都市部を中心にピックアップしているとのこと。「東京、大阪は日本でも有数の商業都市、京都は日本文化に触れられる場所として人気がある。大都市かつ人の多いエリアを中心に台湾の投資家に紹介していきたい」(Yu氏)と話す。
一方、LIFULLでは「日本の不動産を購入するパートナーを広げていきたい」(LIFULL LIFULL HOME'S事業本部 不動産投資事業部長の岡崎健治氏)という思いの下、積極的に海外パートナーを開拓。1月には中国の不動産大手「Homelink(ホームリンク)」との提携も発表している。
「提携においては、透明性の高い不動産取引をできることが第一。日本でも台湾でも同じ販売価格で提供する。海外の投資家からは、日本の不動産は品質がいいと評価してもらえることが多く、日本市場の大きな魅力だと感じている。修繕品質も高い」(岡崎氏)と、日本の不動産を分析する。
Yu氏は「LIFULLは物件数の多さだけでなく、日本市場に精通しており、より詳細な情報が得られる。投資家に満足してもらえるはず」と今回の提携について自信を見せる。岡崎氏も「紹介する物件数が増えることで、来日せずにウェブサイトのみで物件内容を確認するケースも出てくるかもしれない。物件情報に対する問い合わせには迅速に対応する」と、LIFULL側の体制を整える。
岡崎氏は「台湾の企業と組んで、台湾の投資家に日本の不動産をアピールすることで、橋渡しはスムーズになる。海外にも販売ルートを持つことで、LIFULLに日本の不動産情報がもっと集まる仕組みを作れる。今後も、日本でも海外でも同じ値段で不動産が買える、透明性の高いマーケットを作り、この動きをアジア中に広げていきたい」と今後について話した。
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