クラウドファンディングIndigogoで人気を博したプロフェッショナルのためのモバイルバッテリ「Omnicharge」が日本で本格展開を開始した。日本では、amazon.co.jpを中心に販売してきた同社だが、ヨドバシカメラやビックカメラなどの量販店でも取扱いが始まった。
Omnichargeは、一般的に想像する手のひらサイズのモバイルバッテリとは一線を画すものだ。ラインアップは、バッテリ容量が13,600mAhの「Omnicharge Omni13」が1万9224円(税込)、20,400mAhで、最大出力が100Wの「Omnicharge Omni20」は3万2184円(税込)。USB-typeCに対応する「Omnicharge Omni20 USB-C」は2万5704円(税込)で、価格からみてもハイエンド向けであることは想像できるだろう。さまざまな入出力端子を備えた高出力モバイルバッテリなのだ。
なぜいま、日本で本格展開するのか。またこだわりや製品のポイントなどについてOmnicharge CEOのJason Wong氏に話を聞いた。
——Omnichargeを開発したきっかけはなんでしょうか。
もともとOmnichargeは、電力ソリューションについてコンサルティングする会社でした。そうした中で、プロフェッショナルのためのモバイルパワーソリューションが求められていることを発見し、ニーズに応えるべくして製品をつくりIndigogoで2016年に発表しました。
その年にIndigogoで最も稼いだクラウドファンディングの製品となりました。当時、日本円で約4億弱の調達でした。そのクラウドファンディングでは約2万台を出荷し、70カ国の人に利用していただきました。本当にプロフェッショナルのためになるツールを作れば、値段にかかわらず人々は買ってくれると気づいたのです。
実際にユーザーの属性も、専門家が多くいました。ITプロフェッショナル、エンジニア、写真家、医者、弁護士など外で活躍する人が多くいました。軍の関係者や、災害対策本部や消防士にも使っていただいています。
そうしたフィードバックを元に、プロフェショナルのための一番進んだパワーソリューションを提供する会社にしようと決めたのです。
クラウドファンディングでは、約400人の日本人の熱烈なファンが買ってくれました。同様に皆さんも、プロフェッショナルな分野に携わる方々でした。
日本のサポートも含めて、ローカライズをしっかりしていきたいと思っていました。いままでは本格的に日本に入っていなかったので、量販店の展開も含め、この7月からが本格参入となります。
——プロフェッショナルが求めるものを形にした結果、この製品が生まれた?
ユーザーが要求するものをまとめると、3つのポイントにたどり着きました。1つは、“高出力”。2つ目はさまざまなデバイスに適合し充電できる“多様性”。3つめは“安全性”です。
われわれは、信頼性や安全性をとても重要視しています。自社ですべて開発し、設計、製造もしています。特に安全設計にはさまざまな特許を取得しており、基盤の安全性や電気が漏電しない安全設計にしています。
内部の部品に関しても、非常に品質の高いものを使うようにしています。たとえば、リチウムイオン電池はPanasonic製の最も品質の高いものを使用し、基盤そのものも業界で一番品質のよいものを使っています。品質の高さは、ほとんど返品がないことにも表れていると思います。
デザインも、自社で行っており、欧州のデザインチームが手がけています。Sun MicrosystemsやMicrosoft出身のデザイナーらがいます。
手触りにこだわっており、飛行機の外装に使われている塗料を使っています。この塗装に5段階のプロセスを踏んでいるんですよ。手触りがいいだけでなく、“安全”という感覚が得られるものにしています。
サイズを小さくするのも重要ですが、サイズを小さくすると機能が限られます。あらゆる機能を付けたまま、この大きさを実現するのは難しいことでした。でも、出力のわりには非常に小さく仕上がったと思っています。また、直感的にわかりやすい操作性を重視しています。
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