新規事業で陥りがちな「負のスパイラル」とは--経営者と起案者がすべきこと - (page 2)

新規事業を通すには「4大要素」を完璧につかむ

 起案者が必ず聞かれる要素として、大野氏は「儲もうかるのか?」「市場はあるのか?」「どうやって獲得するのか?」「なぜ他社が参入していないのか?」の4項目を掲げた。

 特に最後の他社参入は、質疑応答で実際に大野氏が聞かれた時に一瞬戸惑った内容だという。「『良い提案だがなぜ他社はやっていないの』と問われた際は、ビジネスの規模が小さく、彼ら(他社)のやり方が間違っていたといった失敗理由を説明する。たとえば、他社は技術的に対応できなかったが、自社は特許もノウハウもあると明確に答えると、他の質問に対しても説得力を持たせられる」(大野氏)と、質疑応答における対応の準備が重要であることを強調した。

新規事業を通すための「4大要素」
新規事業を通すための「4大要素」

 その上で重要なのが「夢を語る」こと。経営層が「気持ちよく『こいつに投資してもいいか』と思わせるのが重要」(大野氏)だと語る。大野氏はプレゼンテーションの最後に、企業の経営理念などから想定したキャッチコピーをちりばめた動画を流しているという。「動画作成の専門家ではない自分でもネット上の素材を使って簡単に作れる。(経営層は)新たな技術に対して理解度が乏しいため、イメージとして見せることでモチベーションも上がり、意図が伝わりやすい」(大野氏)と、新規事業を任せてもらえる雰囲気作りに努める重要性を語った。

 現在、多くの大企業が新規事業創出に粉骨砕身しているが、従業員が100人未満など、中堅中小企業が取り組む場合は、「リスクを極力排除した設計にする。失敗時のダメージが大きいため、リスク軽減を踏まえたアイディアを何十通りも考え、ベストなものを提案すべき。他社との提携などを踏まえ、容易に撤退できる仕掛けも用意する」(大野氏)とアドバイスした。さらに「今の時代は技術を駆使し、ツールを使いこなすことでビジネスを加速させられる。自分にあった攻め方の方法を見つける」(大野氏)ことが新規事業創出で最も重要な手法だと語った。

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