イタンジ、7garden、TABLE FOR TWO Internationalの3社は、東京の東神田にサスティナブルホステル「KIKKA」をオープンする。食事や宿泊を通じて、寄付ができる新しい宿泊施設だ。8月1日のオープンに先駆け、メディア向けレセプションイベントが開かれた。
KIKKAは、特定のドリンクやおにぎりセットを購入すると、料金の一部が寄付され、アフリカの子どもたちに給食が届く仕組み。飲食のほか、客室のシーツやタオルを交換しない、アメニティを使用しない、イベントによるスペース利用などでも寄付ができる。
不動産テック企業として、営業支援クラウドシステム「ノマドクラウド」や「Cloud ChintAI」などを提供するイタンジと、ホステルの運営などを手がける7garden、世界の食料問題の解決に取り組む NPO 法人であるTABLE FOR TWO Internationalの3社が手を組み、KIKKAをオープン。寄付できる仕組みをTABLE FOR TWO Internationalが整え、実質の運営を7gardenが担う。
元は店舗や事務所、ライブハウスとして使用されていた、地下1階、地上6階のビルをホステルへとリノベーション。地下はバー、1階はカフェ、2~6階が客室スペースになる。2~4階がドミトリー(1泊宿泊料金:3300円~)、5~6階が個室スペース(同:1万4000円~)の2タイプの部屋が用意され、個室スペースには、バス、トイレのほか、バルコニーが付く。リノベーションは、既存外壁などを活かした形で実施し、最低限の補修にとどめたという。
1階のカフェスペースでは、寄付の対象にもなっているおにぎりセットを提供。フードコーディネーターのSHIORIさんとコラボレーションし、日本の食文化を体験できるメニューとして提供する。おにぎりには47都道府県の特産物や郷土料理を使用しており、宿泊客はもちろん、近くに住む人や働く人にも提供していきたいという。
イタンジ代表取締役CEOの伊藤嘉盛氏は「不動産投資のあり方を変えていきたいと思った。銀行はキャッシュフローや利回りなど、定量的なものにしか融資をしない。しかし、今後AIなどの発達により資本主義も変わってくる。そうなった時に残るのは人への感謝や応援したいという気持ち。定量的なものではなく、定性的なものに投資する世界がくるのではないかと思っている。そういうホテルを作った」とホテル事業に参入した理由を話した。
KIKKAは、東京都千代田区東神田に位置し、周りはオフィスと住宅。馬喰町、東日本橋、馬喰横山、小伝馬町と4つの駅から徒歩圏内でアクセスも良い。7garden 代表取締役の北野賢氏は「オフィス街のホステルとして街に愛される場所にしていきたい。おいしい食事やコーヒーを提供することで、朝の風景を変える」と意気込む。
ホステルで寄付ができるという新しい形を提供するTABLE FOR TWO International チーフ・マーケティング・オフィサーの大宮千絵氏は「宿泊施設で時間を過ごすことで、寄付の選択肢が広がる。行動の中に自然に寄付が溶け込めるといいなと思っている」とコメントした。
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