英国の研究チームが、わずか20分の訓練で自動運転車に車線内を走行することを学習させる取り組みに成功した。一生かかってもそれができるようにならない人間もいることを考えれば、これは素晴らしい成果だ。
運転中のイライラの話はさておき、ケンブリッジ大学工学部の研究者たちが創設した企業Wayveは、現地時間6月28日付けのブログ記事で、この「強化学習」アルゴリズムについて説明している。チームはこのアルゴリズムと人間の補助ドライバーを使って、自動運転車に車線内を走行することを「15〜20分間」で習得させたという。
人工知能(AI)に対する強化学習が高い効果を発揮することは、以前から証明されている。過去にはDeepMind Technologiesが、囲碁やチェスなどのゲームをAIに習得させることに成功した。また、OpenAIは、AIにビデオゲームの「Dota 2」を1日に180年分プレイさせていることを明らかにしている。
AIが囲碁やDota 2のようなきわめて複雑なゲームで人間のプレーヤーに勝ったことは素晴らしい成果だが、車に運転方法を学習させるというのは、それとは種類の異なる取り組みだ。
研究チームは自社のYouTubeチャンネルに動画を投稿し、実際の学習のプロセスを公開している。チームはこの実験を、「自動運転車に強化学習を行った初めての事例」だと述べている。
この自動運転車は当初、歩きはじめの赤ん坊のようにフラフラと走行していたが、道路からはみ出しかけると、補助ドライバーが介入して車を進路に戻した。車に搭載されたアルゴリズムは、進路を直されるたびに自分がミスを犯したことを学習し、また、ドライバーの介入なしに走行できた距離に応じて「報酬が与えられた」という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」