現地時間7月8日に香港証券取引所に提出された書類によると、中国インターネット大手の騰訊(テンセント)はオンライン音楽事業であるテンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(TME)をスピンオフし、米国で新規株式公開(IPO)を目指す意向とみられる。テンセントは香港証券取引所に株式を上場している。
テンセントによると、提供株式数や価格帯、テンセント株主へのTME株式の権利の保証など、スピンオフの詳細はまだ確定していないという。同社は、適切な時期が来たら詳しい情報を発表する予定だ、と言い添えた。
複数メディアの報道によると、テンセントはTME株の62%、SpotifyはTME株の9%を保有しているという。さらに、テンセントは2017年の株式交換により、Spotify株の7.5%を保有しているという。
Financial Timesが情報筋の話として5月に伝えたところによると、TMEはIPOの主幹事銀行にGoldman SachsとMorgan Stanley、Bank of America Merrill Lynchを選定し、評価額は300億ドル(3兆3000億円)を超えるとみられている。
テンセントは、アクティブユーザー数が10億人を超える人気メッセージングアプリ「WeChat」の提供元であるだけでなく、中国の音楽ストリーミング市場もリードしている。
TMEは、阿里巴巴(アリババ)と網易(ネットイース)が所有する中国国内のほかの2つの音楽ストリーミングプラットフォームを既に追い越しており、ライブラリの楽曲数は1700万曲を超える。UniversalやWarner、ソニーなど、複数の企業と中国における独占的な音楽配信契約を締結しており、中国最大の音楽権利保有者および配信業者となっている。
しかし、巨大な音楽ライブラリはTMEに莫大なコストももたらす。別の中国の報道によると、同社は2017年、それらの音楽の権利に少なくとも10億元(約170億円)を支払ったという。音楽ストリーミングサイトはどこも音楽サービスの利用料金と広告を収益の柱としている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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