Facebookは、Bloomsbury AIを買収することで合意したと発表した。自社の自然言語処理能力を高めることが狙いだという。
Facebookによると、ロンドンに拠点を置くBloomsbury AIのチームは同市におけるFacebookのチームに加わり、「自然言語処理の研究におけるFacebookの取り組みを強化する」ことになるという。
買収の金銭的条件は公表されていないが、TechCrunchは買収額について、2300万ドル~3000万ドル(約25億円~33億円)の可能性があると報じている。
Bloomsbury AIの使命は、自然言語と機械の間の言語の壁を解消することだ。自然言語は人工知能(AI)や機械学習システムにとって理解が困難な場合もある。データベースや検索機能を利用しても、信頼性のある答えを効率的に返すのは容易ではない。この問題は業界全体の成長を阻害する要因となっている。
この難問に対処するため、Bloomsbury AIは「Cape」と呼ばれるAIを開発した。Capeは文書を読んで、その内容に関する質問に答える。
Bloomsbury AIは今後このAIを改良して、「推論と合成の要素」が求められる質問にも答えられるようにする計画だ。最終的には、人間より高度な読解力を必要とする質問にも答えられるようにすることを目指している。これは、Facebookのコンテンツを自動的に監視して、その正当性を確認する非常に便利なシステムになるかもしれない。
Bloomsbury AIへの出資企業には、UCL Technology FundやFly Ventures、Entrepreneur First、IQ Capitalなどが含まれる。
7月3日の発表によると、この買収により、Facebookは自然言語とその応用に対する理解を深めることができるという。この研究を通して開発されるツールは、深刻化する偽情報や偽ニュース、テロ関連コンテンツの拡散への対処に使われる可能性もありそうだ。
「機械が自然言語で書かれた非構造化文書を読んで理解し、どのような質問にも答えられるようにする研究において、Bloomsburyのチームは優れた専門知識を構築してきた。われわれは彼らをFacebookに迎え入れることを楽しみにしている。われわれの共同研究から何が生まれるのか、今から楽しみで仕方がない」(Facebook)
今回の買収は理にかなったものだ。Bloomsbury AIは、監視や偽ニュースと禁止コンテンツの規制に関するFacebookの諸問題の解決に貢献できるかもしれない。
Facebookの人間のオペレーターで対応できる量には限界がある。Facebookは大量のワークロードに対処するため、既にAIと機械学習を積極的に利用している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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