目や耳の不自由な人は、そうでない人だと何気なく生活している環境で困ることがある。邪魔な物と衝突したり、後ろから近づく自動車に気付かなかったり、危険と隣り合わせだ。視覚障がい者には盲導犬、聴覚障がい者には聴導犬という選択肢はあるものの、対応しきれない場面も多い。第一、そうした補助犬は育成が難しく、誰もがすぐに頼れる存在ではない。
Appleは、視覚障がいのある人が使う白杖(はくじょう)と同様の機能を実現させる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間6月26日に「GUIDANCE DEVICE FOR THE SENSORY IMPAIRED」(公開特許番号「US 2017/0024010 A1」)として公開された。出願日は2015年7月21日。
この特許は、ユーザー周囲の状況を何らかのセンサで把握し、解析結果を触覚インターフェイス経由でユーザーへ伝える技術を説明したもの。たとえば、小さなスティック状のデバイスが超音波や光などを利用して障害物の存在をとらえ、その情報を振動などで知らせる、という応用が考えられる。
周囲の状況としては、障害物の位置、形状、高さ、肌触りなどが情報として伝えられるという。さらに、ほかのデバイスと連携してセンシングしたり、より詳細な情報を伝えたりすることも可能。デバイスの形状は、スマートフォンのようなものでも、スマートウォッチのようなものでも、背中にあたる部分が触覚インターフェイスとなっているスマート上着のようなものでも、同特許は適用できる。
また、情報を触覚で伝えるだけでなく、音で通知するアイデアにも言及している。
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