なぜ、彼女たちはTikTokを使うのだろうか。最近は、女子中高生に人気のインフルエンサーたちはこぞってTikTok動画を撮影、投稿している。芸能人も多く参加しており、シェアされやすく真似して投稿したくなる効果があるようだ。TikTok発のエリカとマリナという美人姉妹などの有名人も登場し、非常に盛り上がっている状態だ。
ある女子高生は、動画を撮る理由を「シェアされたいから」という。「TikTokは可愛い。盛れる」。上半身のみで撮る動画は、顔がメインとなる。スタンプも多数用意されており、クールな音楽とノリのいい振り付けで撮った動画はとても可愛らしく、一見PVのように見える。「いいね」した動画は保存して見返せるため、真似したくなる動画は「いいね」もつきやすい。
静止画では、プリクラで撮った画像やSNOWなどで加工した画像を使うことが多いが、「動画ならTikTokが盛れる」という。Instagramのストーリーも使うが、そちらは友人とのコミュニケーションのためと使い分けているようだ。
人気の投稿を真似すればいいので、ネタにも困らない。動画の撮影が簡単で編集に時間がかからない点も人気が高い。自分で曲を一から選ぶこともできるが、たとえば「いいアゴ乗ってんね」で検索すると使用曲が表示され、タップするとその曲を使ってすぐに動画が撮れるようになっている。場所も問わずスマホさえあればいいお金がかからない点も人気のポイントだろう。
このように、お金も手間もかからず可愛く盛れる動画が撮れるTikTokは、中高生にとても人気が高い。しかし一方で、リスクもありそうだ。
TikTokは上半身のみで撮るため、可愛い子がウケやすいという特徴がある。実際、人気動画には可愛い中高生が多くランクインしている。一方、「ブス動画」としてYouTubeなどでまとめられて嘲笑われてしまうことも多いのは注意が必要だ。「黒歴史製造機」と言われて、侮辱的なコメントとともに意図しない形で公開されているケースを多く目にする。露出が多めの動画なども同様にまとめられているので、注意してほしい。
このような動画が個人情報と紐付いて、ネット上に不本意な形で残り続ける可能性は十分にある。周囲に利用している子どもたちがいたら、公開した動画は誰でも見られることを忘れず、必要以上に個人情報を公開しないよう注意してあげてほしい。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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