洗練された最近のアプリやガジェットの例にもれず、Pokemon GOも見た目ほど単純ではない。その規模の大きさに気付き始めると、このゲームの開発がいかに困難かも分かってくる。
Nianticは、いわば地球全体のマップを手にしているようなもので、そこにポケモンをばらまいたのだ。ポケモン集めに役立つアイテムが手に入る「ポケストップ」も、バトルに勝って腕自慢ができる「ジム」も、そのマップ上に存在している。
こうした新しい技術を持ち、英国のコンピュータ画像処理スタートアップ企業Matrix Millを買収したNianticは、プレーヤーの位置とその周囲で起こることを、さらに高精度で識別できるようになると説明している。NianticのARリサーチリードであるRoss Finman氏によると、同社は「全地球上のマップデータを寄せ集めて整理している」という。
ユーザーの周りの世界を追跡し、目に見えるものを識別して、そのすべてを世界地図に組み入れる技術が、人気ゲームの改良よりはるかに多くの可能性を秘めていることを、Nianticは自覚している。自動運転車メーカーも同じ問題に取り組みつつ、そうした技術を生み出そうとしており、ドローンやロボットのメーカーでも状況は同じだ。
「物理世界を取り扱うコンピュータ処理はすべて、ARだろうとロボットだろうと、われわれが取り組んでいるものが必要になるだろう」(Finman氏)
その実現に向けてNianticは、物体の識別、世界地図の製作、その世界でのユーザー同士のやりとりなどを可能にするために開発したシステムを、今後他のアプリやデバイスの開発者にも提供していくと発表した。同社はこれを「Nianticリアルワールドプラットフォーム」と呼んでおり、2018年の後半には外部の開発者とともにそれに取り組む予定だという。
それまでの間Nianticが望んでいるのは、Pokemon GOのメーカーというだけではない同社の存在感を訴えることだ。例えば、筆者が今では「PokemonとNeonの会社」と認識を改めたように。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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