クラウド会計ソフト「freee」などを提供するfreeeは、7月2日にFY2019 事業戦略発表会を開催。今後の方向性について発表した。
freeeでは、バックオフィス業務を自動化するソリューションを開発。会計や人事労務のソリューションを提供している。freeeを利用する事業所は、サービス開始から5年で累計100万カ所を突破。クラウド会計ソフトに関する市場調査でも、そのシェアは1位だ。
同社代表取締役の佐々木大輔氏によると、freeeの導入により、バックオフィス業務が10分の1に減少した企業もあるという。また、freeeのレポートを毎月確認するユーザーのうち、約72%が前年比での増収を実現しているとする。佐々木氏は、「freeeを使えば時間だけでなく収益も創出する」とアピールした。
佐々木氏は、freeeの新規ミッションとして「スモールビジネスを、世界の主役に。」を掲げた。世の中の約99%を占めながらも、労働生産性は大企業の半分、テクノロジの導入速度も遅い中小企業。しかし佐々木氏は、新しいイノベーションは小さな企業の方が産みやすいと期待する。また、テクノロジの導入速度の遅さに関しては、「小さなビジネスにとっても利用しやすいテクノロジを追究するプレイヤーがいなかったから」と指摘。これに対し、freeeでは誰でもビジネスを強くスマートに育てられるプラットフォームの開発に取り組んでいくとした。
その一環としてfreeeが提供するのが、会計ソフトのfreeeにて7月2日にリリースした「予算・実績管理」機能だ。法人向けの新料金プランである「プロフェッショナルプラン」にて提供する。同機能では、勘定科目ごとに予算を作成できる経営プランニングや、会計freeeに反映された実績と財務諸表をグラフでリアルタイムに比較できる経営ナビゲーションが利用可能。佐々木氏によると、同機能の導入により経営資料作成期間が14日から1日に短縮できるという。
2018年秋頃には、会計freeeとExcelを自動連携するExcelアドイン機能のリリースを予定。さらに今後、プロジェクト毎の収支を算出できる機能や、過去の財務データやレポートを参考に資金繰りを予測する機能も実装予定だという。
またfreeeは、会計ソフトfreeeの機能「AI月次監査」を、5月28日にリリースしている。税務代理業務に多くの時間を割かれる会計士や税理士の負担軽減を目的とした機能で、AIが勘定科目での作業漏れや誤りなどを指摘し、アラートとして表示する。試算表などの修正作業が一部自動化されるため、月次監査業務の処理速度や決算申告の正確性向上が期待できるという。
佐々木氏は、「税理士や会計士の方々は、freeeと共にスモールビジネスを世界の主役にするパートナー」だとし、税理士や会計士が中小企業からの相談に応えられる環境の構築に貢献していきたいとした。
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