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ディスプレイから音声へ--「Siri」の巻き返しを狙うアップルの布石とは

Ross Rubin (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部2018年07月02日 07時30分
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 Appleは近年、サービスベースのビジネスモデルへと不可避的にシフトしてはいるものの、デバイスで探求すべきことはまだ多数ある。最近同社が発表した製品は、ディスプレイから音声への移行を示している。同社は無線イヤホンとスマートスピーカを発表した。これらのカテゴリーの市場は数年前から成長している。そして、最近の報道は、同社がこの市場を見据え、ヘッドホンの新製品を含むハイエンドの製品群を準備中であることを示している。

 「AirPods」のことを、初代「iPod」からデバイスに同梱されてきたAppleの白いイヤホンの単なる後継製品の、「完全無線」イヤホンだと思っている人もいるだろう。同様に、「HomePod」を競合への対抗策にすぎないと軽視している人もいるかもしれない。だが、同社の最近の動きを見れば、音声がこれまでになくAppleの製品やサービスの中核に近い役割を果たすようになりつつあることに気づくだろう。

コンピューティングへの障壁を引き下げる

 「Mac」の使いやすさから「iPhone」のユビキタス性まで、Appleはずっと、コンピューティングとの関わりを妨げる障壁を下げてきた。現在のディスプレイ技術を使った意味のある伝達という点で考えると、「Apple Watch」はその最低ラインを示している。

 Appleは「CarPlay」でもディスプレイを採用しているが、操作手段としてディスプレイを使うことが常に望ましく、かつ安全であるとは限らない。音声インターフェースは、より包括的で(時には)自然なインタラクションのために重要だ。しかもAppleは「Siri」で長く音声インターフェースを提供してきたのだ。

画面疲れ問題への対処

 2018年の開発者会議でGoogleもAppleも高まるスマートフォン中毒への懸念に対応した点は、注目しておきたい。両社の次期モバイルOSはそれぞれ、ユーザーにアプリ使用状況を示したり、一定時間デバイスを使用しないようにしたり、就寝しやすくするために画面を暗くしたりする(2016年に流行ったブルーライトフィルタの拡張版だ)新ツールを提供する。

 だが、こうした「休憩時間」でも、消費者は目を使わずに済むタスクをこなす手段を求めるものだ。そのようなタスクを利用して、Appleは現在優位に立つアプリのエコシステムと、次のステップをつなぐことができる。

Siriを復活させる

 Siriについて言えば、Appleは6月の「Worldwide Developers Conference(WWDC)」で、この先駆的音声アシスタントについて重要な発表を行った。相互運用性の制限についての高まる不満を受け、Appleは開発者とユーザーの両方に対し、強化されたカスタマイズ機能を提供する。

 これにより、Siriはさまざまな「iOS」アプリと連携することになるだろう。iPhoneとMacでのSiriの便利さが高まるだけでなく、AirPodsとHomePodの使い勝手を豊かにする可能性もある。

 私は2017年、Amazonがスマートフォン市場で失敗し、タブレット市場でもシェアを減らす中、音声機能で消費者向けプラットフォーム競争に復帰したことについて書いた。この点については最近、コラムニストのBrent Leary氏も米ZDNetへの寄稿で指摘した。同氏はAmazonが音声第一の転換を図っていると見ている。

 Appleはまだその段階ではない。結局、Siriはマウスやクリックホイール、マルチタッチのようなAppleのこれまでの例とは異なり、プラットフォームになるデバイスを伴わないユーザーインターフェースだ。Bragiのスマートイヤホン「Dash Pro」のような機能でApple Watchと接続することで、AirPodsはHomePodのようにSiriのプラットフォームになり得るだろう。Siriがこうした要求に応えられるようになるまで、Appleは市場に種をまき続けることができる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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