エイベックスとHIROTSUバイオサイエンスは6月27日、がんの検診率向上と、線虫による早期がん検査「N-NOSE(エヌノーズ)」の普及のための啓発活動をPRしていくための合同会社「AVEX&HIROTSU BIO EMPOWER LLC.」を設立したと発表した。
2020年1月をめどにN-NOSEの実用化を目指すとともに、N-NOSEの普及に向けたPR活動やがん早期発見の重要性を伝えるチャリティコンサートなどを予定している。
N-NOSEは、線虫が尿の中のがんの匂いに反応することを利用した検査だ。尿と線虫をシャーレの中に入れると、健常者の尿から線虫は離れ、がん患者の尿へ近づく。
HIROTSUバイオサイエンス 代表取締役の広津崇亮氏は、「初めての生物診断。通常の健康診断で用いる尿だけで解析でき、量も一滴あればいい。犬などと違って訓練も不要で、1回の検査は数千円と安い」と説明する。
また、N-NOSEが検知できるがんは18種類と幅広く、ステージ0~1の初期のがんも87%の割合で発見できるなど精度が高いという。同社の基礎研究によれば、治療後に検査をすると陰転化し、再発した場合は再び陽転化する結果が確認できており、がん再発の検知にも有効だとしている。
N-NOSEは、がんの有無を調べる「1次スクリーニング」としての役割を担うことで、まずはがんの早期発見を目指す。もし陽性反応が出た場合に、そこからがん種の特定、内視鏡などによる精密検査など、従来の検査に進むことを想定している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」