macOS Mojaveプレビュー版公開--iOSとの親和性、知っておきたい新機能 - (page 2)

4つのアプリをMacに追加

 macOS Mojaveの大きなトピックの一つは、iPadアプリからMacアプリを作ることができるようになる点だ。開発者向けには2019年にこの機能を解放するが、まずはmacOS Mojaveリリース時に、Appleがこの機能を使って4つのアプリをMacに新たに追加する。

 追加されるアプリは「ニュース」「株価」「ホーム」「ボイスメモ」。このうち、株価とボイスメモはiPadに対してもiOS 12で新たに追加される。

 AppleはWWDC 2018で、iPadアプリとMacアプリの違いで対応しなければならない要素として、ウィンドウという概念(リサイズ、上部のシグナルボタン、スクロールバー)、マウス・トラックパッド操作やテキスト編集(クリック、ドラッグ&ドロップ、スクロール、コピー&ペースト)などを挙げた。裏を返せば、こうした操作性の違いを解決すれば、iPadアプリのコードをMacに移植できるようにしたのだ。

 ホームはiPadに用意されているものと同じデザインで、一度触れたことがあればそのままMacでも利用できる。面白いのは、Macではあまり馴染みがなかったiOSでの時間指定のインターフェースもそのまま残されている点だ。iPadで3Dタッチ代わりに使うジェスチャーである長押しが、Macでも引き継がれている点も新鮮だ。

ホームアプリはiPadのデザインと設定をそのまま利用できる。
ホームアプリはiPadのデザインと設定をそのまま利用できる。

 またボイスメモアプリはiOS 12側でもiCloudに対応し、録音したメモが自動的に各デバイスに同期されるようになった。iPhoneで録音した会議メモをMacで再生しながら議事録を作る、といったワークフローにも対応できる。

 このiOS側、Mac側に同じアプリを用意し、iCloudでデータを同期して、複数デバイスを適材適所で利用する、というモデルは、Appleの標準アプリのみならず、サードパーティアプリにとっても重要な活用方法になると考えられる。

 アプリを無料で提供してサブスクリプションモデルにするなら、デバイスごとにアプリを購入しなくて良くなる。同時に、開発リソースはiPad版とMac版で共通化できる部分が大きくなり、ソフトウェア開発の効率性も高まることが期待できる。

 そう捉えると、AppleのmacOS Mojaveで求める価値が見えてくる。Mac App Storeの活性化によって、アプリが充実するプラットホームの価値を高め、Macの存続と成長を、iOSの成長と同期させることにつながる。

iPhoneやiPadのアプリでおなじみの時間設定のダイヤルも、Macに表示されているのが新鮮だ。
iPhoneやiPadのアプリでおなじみの時間設定のダイヤルも、Macに表示されているのが新鮮だ。

コミュニケーションの充実も

 iOS 12のプレゼンテーションで、Appleのビデオ通話システムであるFaceTimeを刷新し、最大32人までの通話に対応した。iMessageのグループからグループFaceTimeを起動したり、FaceTimeアプリからグループを作って通話を開始したりできる。

 macOS Mojaveでも、グループFaceTimeが利用できるようになる。なおiPhone XでiOS 12を利用すると、iMessageで自分の顔文字を作成するMemojiが利用できる。このMemojiをFaceTimeに登場させ、リアルタイムに自分の顔に合成してアニメーションさせながらFaceTimeに参加できるようになる。

 Macには現在、TrueDepthカメラ搭載モデルが用意されていないため、Memojiを利用してFaceTimeに参加することはできない。しかし近い将来、MacにもTrueDepthカメラが搭載され、MemojiでのFaceTimeが楽しめるようになるのではないか、と考えられる。

その他の新機能

 注目すべきmacOS Mojaveの新機能について試してきたが、その他にも重要な更新が含まれている。

 FacebookのCambridge Analyticaによる個人情報スキャンダル以来、Appleはユーザーのプライバシーに対して一層厳しい姿勢での取り組みを見せている。macOS Mojaveに搭載されるSafariでは、SNS企業の多くが利用しているクロスサイトトラッキングの防止や、ユーザーがアクセスしているコンピュータの情報を活用したユーザーの識別を防ぐ機能を盛りこんだ。

 また、iPhoneやiPadのカメラと連携させ、文書に使う写真やドキュメントのキャプチャをその場で作り出せる機能も盛りこんだ。

 この機能はPagesやKeynoteといったApple製のアプリだけが利用できるものではなく、画像を挿入することができるアプリならどこでも利用できる仕組みだ。手元にiPhoneやiPadがあることを前提にした機能は、ユーザーの現状に即した便利さと言える。

 Appleは例年通りであれば、29月中旬に、アナウンス済みのOSの最新版を正式に公開し、前述の対応Macには無料でダウンロードできるようになる予定だ。

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