Wi-Fi接続を保護するための新しい標準規格として、「WPA3」が登場した。
これにより、新しいWi-Fiルータは、コンピュータ、携帯端末、スマートホーム機器の間で転送されるデータとインターネット接続を保護する機能が強化される見込みだ。企業ネットワーク上でのワイヤレス通信にも変化がもたらされ、職場のWi-Fiネットワークのセキュリティも高まると期待される。Wi-Fi Allianceは、2018年に入ってその機能の一部を発表していた。Wi-Fi AllianceはIT企業らで構成される業界団体で、詳細な議論に基づくWi-Fi用プロトコルの策定を目指している。同団体は米国時間6月25日、このプロトコルが正式に策定されたことを発表した。
Wi-Fiは当たり前の存在として捉えられがちだ。無線ルータが近くにあれば、実質的にどこでも利用できる。しかし、膨大な量の機密情報がWi-Fi接続上を流れるので、ワイヤレス接続の保護は非常に重要だ。
Wi-Fiユーザーの保護を強化するために、新しいプロトコルは、ワイヤレスネットワークに対する一般的なハッキングが実行しにくくなっている。オフライン辞書ベースとされるこの攻撃において、ハッカーはユーザーのWi-Fiパスワードを無限に推測し続けることができる。アカウントに不正侵入するために、文字の組み合わせ、単語、さらにはよくあるパスワードを試みるソフトウェアが利用される場合が多い。
WPA3は、Wi-Fi Allianceによって認証された新しいルータに搭載され、ソフトウェアアップデートによって既存のルータにこのプログラムをインストールするかどうかは個々のベンダーに委ねられる。
WPA3は、WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)に置き換わるものだ。WPA2は、10年以上前の2004年に初めて導入されたが、これまでに何度かセキュリティの問題が発生し、Wi-Fiの保護を怠ることの恐ろしさを浮き彫りにしていた。
つい最近では、KRACKという脆弱性が研究者らによって発見された。同じWi-Fiネットワーク上の攻撃者が、パスワードなしでユーザーのインターネットトラフィックにアクセスできるというものだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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