3社は2017年12月、映画館でVR鑑賞できる共同事業で合意し、事業化を進めてきた。それぞれの役割は、東映がシネコンにコンテンツを配給。VAIOは、ハードウェアの調達や最適化および、ワイヤレスで多人数が快適に同時視聴できるVR環境を構築。クラフターは、博報堂グループの映像コンサルティング会社で、劇場用アニメーション映画やテレビシリーズ、CM、ウェブ動画などの経験をもとに、3DCGアニメーションコンテンツの制作を担当している。
なぜ映画館でVRなのか。クラフター 代表取締役社長の古田彰一氏は「VR映像の没入感とサラウンド音響の組み合わせはまさに理想の組み合わせ」と説明する。「これまでのVRに足りなかったのは音。従来のようにヘッドホンで耳を塞いでいない。ハイクオリティの音響設備が整っていることが映画館で見る大きなメリット。耳が塞がれておらず、劇場の音が聞こえるということは、まわりの悲鳴、笑い声なども聞こえる。音楽ライブではみんなで盛り上がれ、VRなのに一体感を共有できる」とメリットを語った。
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、中国メーカーPicoのスタンドアローン型を採用している。VAIO 執行役員副社長の赤羽良介氏は「解像度、6DoF対応、パフォーマンスの総合的な判断でPicoがベストと判断した。HMDに対しては、コンテンツを盗まれないセキュリティの機能など、劇場で運用するためのカスタマイズを施している」と説明した。
映画館は今後、VRが加わることでどう変化していくのか。「基本的には従来の映画があって、VRがある。両方とも進化していくと思う。スマートフォンやPCなどVRを見る手段はいろいろあるが、映画館で映画を見ていただき、映画人口を増やしたい。3DやIMAX、4DXなどアトラクションの一つとしてVRがある。見る機会を増やすひとつのアイテムとして広げていきたい」(松村氏)
今後の展開について、「3社に閉じるわけではなく、さまざまなパートナーを募っている」(古田氏)と説明する。「クリエーターや映像製作プロダクション、コンテンツホルダー、VR映画システムを導入したい興行主。イベントスペースやライブハウスを上映したい人。ぜひ声をかけてほしい」と呼びかけた。
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