空を見上げると、1羽の可愛らしい鳥が優雅に飛んでいる。まさに美しい自然の鳥かと思うと、それはハイテクな監視ドローンかもしれない。
中国ではこの数年間に、少なくとも5つの省で、30を超える軍事機関や政府機関が鳥の形をしたドローンを使って市民を監視しているという。South China Morning Postが現地時間6月24日に報じた。
報道によると、このプログラムは「Dove」(ハト)というコード名で呼ばれ、西安市にある西北工業大学の教授、Song Bifeng氏の下で実施されているという。Song氏はかつて、中国の第5世代ステルス戦闘機「J-20」に関する上級科学者を務めていた人物だ。
この鳥のようなドローンは、電気モーターで動くクランク機構を2つ搭載し、本物の鳥の羽ばたきを模倣する。また、高解像度カメラ、GPSアンテナ、飛行制御システム、それに衛星通信が可能なデータリンクを搭載しているという。
「まだ規模は小さい」と、Song氏のチームで働くYang Wenqing氏は、South China Morning Postの取材に対して語っている。Yang氏によれば、研究者たちは「このテクノロジが将来大規模に利用できる可能性を秘めており、(中略)軍事部門や民間部門におけるドローンのニーズに対応できる、ほかにはない優位性を持っていると考えている」という。
ただし、中国にとって監視体制の強化が急務というわけでもないようだ。中国はすでに、顔認識機能、人工知能(AI)、スマートグラスなど、さまざまなテクノロジを駆使して約14億人の国民を監視しているとされ、いずれは国民一人ひとりを、その行動に基づいたスコアで評価することを目指しているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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