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ネット販売に対する売上税、米全州で課税が可能に--米最高裁が新たな判断

Steven J. Vaughan-Nichols (CNET News) 翻訳校正: 矢倉美登里 吉武稔夫 (ガリレオ)2018年06月22日 10時15分
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UPDATE 米最高裁判所はこのほど、「サウスダコタ州 対 Wayfair」裁判で1992年の「Quill Corp. 対 ノースダコタ州」裁判の判決を覆した。

 事務用品小売りのQuillは、米国の各州が徴収する売上税について、その州内に物理的に存在する企業にのみ課税できると主張した。この考え方を根拠として、州税と電子商取引との関わり方は、ウェブの黎明期から決まっていたのだ。だが、今回の新たな判断により、州内に店舗や倉庫、事務所がなくても、その州の住民に対するインターネット販売に課税することが可能になった。

 これによって、インターネットでの電子商取引についてすべてが変わる。長らく手つかずだった膨大な毎年の売り上げに対して、これからは課税されることになる。

 Amazon、Apple、Walmart、Targetなどの多くの小売業者はすでに、州内に実店舗がなくても売上税を徴収していた。Wayfair、Overstock、Neweggなどのように売上税を徴収していない小売業者もあったが、サウスダコタ州はそのような業者を相手取って訴訟を起こしていた。

 他の40以上の州とTrump政権は、最高裁判所に「Quill 対 ノースダコタ州」裁判の判決を覆すよう要請していた。通信販売カタログに絡む裁判の判決は、現代の電子商取引の世界では時代に合わなくなっているというのだ。

 米国時間6月21日の多数決による判決文を作成したAnthony M. Kennedy判事と、最高裁の裁判官9人中5人が、Quill裁判の判決は時代遅れで、実店舗を不当に不利な立場に置いているとの意見で一致した。

 Kennedy判事は次のように記している。「この判決は、複数の州において、物理的な施設を持たない動機となっている。徴税を避けたいという企業の願望から生じた歪みによって、市場には現在、本来なら効率的または望ましいものであるはずの店舗や物流拠点、雇用センターが不足している可能性がある」

 「バーチャルなショールームは、地元の店舗では不可能なほど、はるかに多くの在庫を詳細に展示でき、消費者と売り手がやりとりする大きな機会がある」(Kennedy判事)

 スマートフォンを持って来店し、地元の店から買うつもりがない商品を調べる「顧客」の姿は、ほとんどの小売店の店頭でありふれた光景となった。

 John G. Roberts Jr.裁判長は、次のような反対意見を述べている。「経済のこういった重要な分野の発展を妨げる恐れがある変更は、議会が取り組むべきものだ。裁判所は、50年以上前の過ちを償うためだけに、現在の経済政策のこうした重要な問題に影響を与えるべきではない」

 現時点でわれわれにできるのは、この判決によってもたらされる変化についてあれこれ憶測することだけだ。

 今回の判決が、歳入の増加を求める州にとって朗報となり、最後の抵抗を示している実店舗にとって恩恵となるのは、明らかなようだ。反対に、できるだけ低価格を求める消費者にとっては災いとなり、小規模な電子商取引企業にとっては命取りになる可能性がある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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