カリフォルニア州控訴裁判所が先ごろ下したある判決によって、オンライン店舗を持つ小売業者から税金を徴収しようとする州政府の試みに勢いがついた。
同裁判所は、物理的な店舗を運営するBordersとBorders Onlineの間にはかつて密接な関係があったことから、インターネット上で販売され、カリフォルニア州内に届けられた商品に対し、カリフォルニア州が売上税を徴収することを認めた。
米国時間5月31日に出されたこの判決には、「Bordersのレシートには『オンラインショップのBorders.comもご覧ください(Visit us online at www.Borders.com.)』」と印刷されていることがあった。またBordersの従業員は、店頭に無い商品が見つかるオンライン店舗を顧客に勧めるよう指導されていた」と書かれている。
同判決の影響がどれほど広範囲に及ぶことになるかは不明だ。Bordersが1990年代末に築いたのと全く同じ構造を持つ小売業者はほとんど無いとしても、この判決が、大手のインターネット小売業者から税金を徴収できないことを懸念している他州の税務当局を勇気付けることになる可能性がある。
一般に、州外の小売業者は他州に出荷した製品の売上税徴収を求められない。これは米最高裁が1992年の「Quill Corp. 対 North Dakota」裁判で決定したことで、ほかのいかなる規則も州際取引に不当に干渉することはできないとされている。
ミシガン州に本社を置くBorders Onlineは、Quill裁判の判例から、カリフォルニア州の顧客に配送した商品の売上税徴収を同社は免除されるべきだと主張していた。同社はカリフォルニア州内に従業員や銀行口座、不動産を持たない。
しかし、インターネット店舗の顧客がカリフォルニア州内の120以上の実店舗に書籍を返品できる契約が交わされるなど、1998年から1999年にかけてBordersとBorders Onlineの間には密接な関係があり、それだけでもカリフォルニア州査定平準局(Board of Equalization)勝訴の十分な根拠となると、同法廷は判断した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向 けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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