CES(Consumer Electronics Show)というのは毎年ラスベガスで1月上旬に開催される世界最大の家電見本市。CES Asiaはそのアジア版として2015年から始まり、2018年で4回めとなる。6月13日から15日までの3日間、上海で開催された。
筆者は2015年から4回に渡って本家CESへの展示に参加してきたが、CES Asiaは初参加だ。過去に展示の案内を受けてきたことはあったが、まだ始まって間もない展示会であるということと、より中国市場に向けた展示会でありそうだということで展示を見送ったことがあり、参加する機会がないままであった。今回、CES Asiaの主催者から、過去にCESに出展したことがある人の目線で、CES Asiaをレポートして欲しいとの依頼があった。ちょうどCES Asiaが本家CESと比べてどのようなイベントになってきているのか興味を持っていたところだったので、参加し、ここでイベントの模様を紹介させていただきたい。
CES Asiaに対する先入観として、まだ小規模な展示会というイメージを持っていたが、展示面積は5万平方メートルとかなりのもの。幕張メッセで言えば6ホールほどの広さとなる。内訳としては約6割が家電関連、約3割自動車関連、約1割がスタートアップ関連の展示となっていた。
展示企業としては、やはり中国企業が中心ではあるが、ラスベガスのほうのCESではあまり出てこない企業も多くて面白い。CESからちょうど半年というタイミングということもあり、CESで展示されていたものから一歩先に進んでいたものを垣間見ることもでき、CESから少し先の動きを追うこともできて面白い。
Huawei、Haierなど中国の有名メーカーの中で日本人として目を惹いたのがFoxconnのブース。「SHARP Powered by Foxconn」という表記で、8Kテレビから、ヘルシオ調理器などの一連のシャープ製品が展示されていた。
4月に参加した深センの展示会でも、このPowered by Foxconnの表記を目にしたが、1月のラスベガスCESでも、2017年9月のベルリンIFAでもシャープの展示ブースで掲示されていたのはシャープロゴのみであった。出展者がシャープではなくFoxconnということもあるだろうし、中国でのFoxconnの知名度とシャープのブランドを最大限に効率良く活用するには、この表記が少なくとも中国市場においては効果的であるという判断なのだろう。
また日本ブランドの活用事例として面白いと感じたのは、オシャレなコーヒードリップロボットを出展していたBubble Labのブース内に展示を行っていたdotcom creation。dotcom creationによるヘッドホンが、Design From Tokyoと日本初のデザインであることがアピールされており、ブース全体もBubble Labとしてではなく、dotcom creationというロゴが全面に出たものとなっていた。会社の所在地も秋葉原駅そばとなっている。
ホームページではBubble Labの製品であるコーヒードリップロボット、dripの実演もdotcomのロゴを着たスタッフが行っていた。dripは筒状の形をしたコーヒーロボット。普段はテーブル内に収納されており、使用するときだけ、細長い筒状の本体が上にせり出してきて、上部がL字型に曲がる。dripについたセンサーがどこにコーヒーのドリッパーが置かれているのかとコーヒーの量を検知して、アームが移動し、適量のお湯を注ぐ仕組みとなっているデザイン性の高い製品だ。
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