Airbnbは6月14日、6月15日に施行する住宅宿泊事業法を受け、ビジネス戦略などを発表した。新組織「Airbnb Partners」を立ち上げ、日本企業36社とともに、シェアリングエコノミーにおける新たなエコシステムの構築を目指す。
Airbnb Partnersは、ロイヤリティプログラムや、特定のエアラインにおけるマイル特典を提供するデマンド・パートナー、ホスト育成や、リスティングの申請、家具のセットアップ、写真撮影、クリーニングなどのホストサポートを提供するサービス・パートナー、不動産開発業者や、高品質なポートフォリオやユニークなリスティングを提供するプロフェッショナルホストとなるサプライ・パートナーの3カテゴリから構成され、現在36の日本企業が参加している。
Airbnb Japan 代表取締役の田邉泰之氏は「Airbnbは体験型の旅を普及させ、新しい体験、出会いを提供していきたい。しかし交通手段や食事、体験型サービスなどあらゆるシーンで新たなサービスが必要になり、安心、安全も確保しなければならない。これらをAirbnbだけで実現するのは難しい。日本におけるビジネスノウハウを持つパートナーとオールジャパンで取り組んでいきたい」とAirbnb Partners立ち上げの理由を話した。
パートナー企業の1つであるカルチュア・コンビニエンス・クラブは、AirbnbのロイヤリティプログラムとしてTポイントサービスの提供を発表。Airbnbに宿泊することでTポイントが貯まるサービスを2018年内に開始する予定であることを明らかにした。
パートナー企業の代表として登場したカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏は、6月に実施した宿泊施設に関するアンケート結果を発表。その結果「トラブルなどの不安」「知らないホストの自宅に止まることに対する抵抗感」など、民泊に対するネガティブなイメージに対して、利用者と未利用者で大きな乖離が生じていることがわかったという。それに対し増田氏「未利用者は食わず嫌いなのではないのかと心配している。実際に泊まったことのある利用者の満足度は高い。民泊は新しいビジネスチャンス。非常にポテンシャルのある市場だと思っている。旅のライフスタイルを提案することに取り組んでいきたい」と話した。
Airbnb Partners 参加企業は下記の通り。あいおいニッセイ同和損害保険、アソビシステム、あなぶきスペースシェア、イロドリ、エボラブルアジア、大塚家具、オープンハウス、オレンジ・アンド・パートナーズ、KADOKAWA、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、KEY STATION、グランドゥース、SATO行政書士法人、スタジオアンビルト、西新サービス、セコム、全日本空輸、ソフトバンク、損害保険ジャパン日本興亜、タマキホーム、中部興産、ナーブ、ニトリ、ハウジング恒産、パソナ、Peach Aviation、ビックカメラ、ファミリーマート、藤井ビル、プライムアシスタンス、ベンチャーリパブリック、matsuri technologies、みずほ銀行、メトロエンジン、モダンデコ、YMFG ZONEプラニング。
CCC以外にも、ホストを楽しむ育成プログラムを提供するパソナ、損害保険ジャパン日本興亜、あいおいニッセイ同和損害保険と連携し、日本独自の保険プログラムを導入するといったパートナーシップを用意しているとのこと。
また、アソビシステムとコラボレーションし、日本のポップカルチャーが体験できる宿泊施設の展開や、小山薫堂氏率いるオレンジ・アンド・パートナーズとの連携により、ホームシェア時代の新しい住宅の開発なども手がけていく予定だ。
Airbnb共同創設者兼最高戦略責任者、Airbnb China会長のネイサン・ブレチャージク氏は「2014年に日本で事業をはじめてから約4年。知らない人に家を貸すことに慣れない日本市場で取り組んでくれたホストとゲストに感謝している。日本は素晴らしい文化を持つ国。Airbnbの取り組みと非常にフィットしている。日本にとってホームシェアがメリットをもたらすと信じている」とコメントした。
Airbnbでは、民泊新法で届け出がない物件の削除や、6月15~19日に許認可等の記載がないAirbnbの宿泊施設にチェックイン予定の予約を全キャンセルするなど、いわゆる「闇民泊」対策を現在講じている。発表会ではホストに対する登録セミナーや、育成プログラムの提供など、ホスト側へのサポート体制も打ち出していた。
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