パナソニックエコソリューションズ社は6月11日、2017年の実績や2018年以降の取り組みについて事業戦略説明会を開催した。売上高1兆9574億円、営業利益が812億円で、2年連続の減収減益から、増収増益へと反転した2017年度の実績と、「空間」と「くらし」という2つの創造事業を目指す姿と位置づける今後の展開について話した。
エコソリューションズ社は、配線、照明器具などの住宅設備や、エナジーシステム事業部、パナホームから社名を改めたパナソニック ホームズなどを有する。
パナソニックエコソリューションズ社 社長の北野亮氏は「2018年度は2兆600億円、2020年度は2兆2700億円と売上高を伸ばす計画で、その成長ドライバは海外。現在16.6%の海外比率を、2020年度には22%まで引き上げる」と今後の方針を示した。
なかでも重点地域に据えるのが中国、アジア、ISAMEA(インド、南アフリカ、中東アフリカ)の3つ。各国で有力パートナーを発掘し、協業によるソリューション事業展開を見据える。
テスラモーターズと協業を進めるソーラー事業は「テスラ側が推進しているのは、屋根材にセルを乗せたソーラールーフが主力になる。そのためパネルではなく、セルを供給するビジネスになる。セルの供給はテスラ以外の会社とも具体的な話を進めており、テスラによる生産の遅れなどによるリスクはきっちりカバーしていこうと思っている」と現状を説明した。
一方、パナソニックホームズが注力するのは、普及価格帯の木造住宅だ。「従来主力だった注文戸建て住宅は、今後も大きく伸びる市場ではない。ターゲットは年収500〜600万円の世帯。今後着工数が多いと思われる層をきっちり取り込んでいく。木造PSJ工法という、従来に比べ、工期が短くできる工法を取り入れ、買い求めいただきやすい価格で提供していく」(北野氏)とコメント。パナソニック ホームズ社長の松下龍二氏も「小さな区画でも普及価格帯の木造住宅を手がけていく戦略に切り替える。木造住宅を展開できることが強みにつながると思っている」と新たな方針を示した。
パナソニック創業100周年の記念住宅についても触れた。この中には、ビジネスイノベーション本部が米シリコンバレーで取り組む「HomeX」が導入される予定。北野氏は「記念住宅は2018年中に発表する。HomeXが日本で初めて具現化され、商品となるのが100周年記念住宅。これにより、住宅内のユーザーインターフェースに革新が起こる。現在、給湯、水道、ガス、照明と家の中にはたくさんのインターフェースが存在するが、それを統合するようなものになる。住宅と社会、街をどうつなげるかが大きなポイントになる」ことを明らかにした。
パナソニックエコソリューションズ社では、2018年度の売上高を2兆610億円、営業利益を1010億円とする見通し発表。増収増益を継続していく方針だ。
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