ウェザーニューズは6月8日、降水分布を高解像度で解析・予測する短時間予報解析モデルを新たに開発し、アプリ「ウェザーニュースタッチ」(iOS版)にて提供を開始したと発表した。
同予測モデルは、実況解析において、気象庁の実況観測データや衛星画像を取り込み、さらに、独自観測機による観測データやウェザーニュース会員から寄せられる実況報告でリアルタイムに評価を行うことでデータ補正を行なっている。
また、予測においては、降水域の移動ベクトルを抽出し、そのベクトルから3時間先までの降水のシミュレーション予測を行う。今回、独自開発したこのシミュレーション予測には、既存のモデルで上手く表現されなかった地形効果による雲の発達や衰弱、速度変化が反映されている。より予測技術者の思考結果に近づくように、独自のAI技術を利用することで実用化したという。
同社によると、一般的な雨雲レーダーや降水予測では、30分より先の降水分布を1kmメッシュでしか予測できないという。しかし、新たな予測モデルを導入したアプリ「ウェザーニュースタッチ」では、3時間後まで250mメッシュと予測時間の延長・高解像度化を実現。1時間より先の降水分布も10分間隔(従来は1時間間隔)で予測でき、梅雨時期の強雨や夏のゲリラ豪雨など局地的かつ突発的な現象も、予報をより正確に行えるようになった。
さらに、同予測モデルの導入により、1時間後の降水分布(面積)の予報精度を、運用開始以前より約3ポイント向上(平均で約90%)した。
新しい「雨雲レーダーCh.」は、「ウェザーニュースタッチ」(iOS版)の全画面に設けられた、最下部のボタン(タブバー)のレーダーアイコンから利用可能。
同社は、今後も観測データや現地ユーザーのフィードバックをもとに、同予測モデルをバージョンアップしていき、さらなる予測精度向上に努めるという。
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