ソーシャルメディア大手のFacebookが、中国の大手通信機器メーカーHuaweiに対し、自社サービスのユーザーのデータにアクセスできる特別な権限を与えていたと、The New York Timesが米国時間6月5日に報じた。
FacebookとHuaweiの間で交わされていたこの取り決めは、少なくとも2010年にさかのぼるもので、米政府から何かと疑いの目を向けられているHuaweiに特別なデータアクセス権限を与える内容だったと、The New York TimesはFacebookの社内関係者の話として報じている。FacebookはLenovo、OPPO、TCLとも同じような協定を結んでいたが、Facebookの広報担当者はNew York Timesの記事の内容を認めた上で、Huaweiとの合意は今週中に破棄する予定だと述べた。
このような取り決めは、Facebookのユーザー体験をモバイルデバイスに統合する取り組みの一環として行われたものであり、Facebookの広報担当者は「標準的な業界慣行」だと説明している。
「FacebookをHuawei、Lenovo、OPPO、TCLに統合する取り組みは、当初から管理された状況で行われていた。(中略)当社は、これらの企業が構築したFacebookのユーザー体験を承認していた」と、Facebookでモバイルパートナーシップ担当バイスプレジデントを務めるFrancisco Varela氏は、声明で述べている。「議会がこの件に関心を持っているため、当社としては明確にしておきたいのだが、Huaweiとの機能統合ではすべての情報がデバイスに保存されており、Huaweiのサーバーには保存されない」
Huaweiも6日に声明を発表し、Facebookと同様の主張を展開した。
「すべての主要なスマートフォンプロバイダと同じように、HuaweiはFacebookと協力しながら、Facebookのサービスをユーザーにとってより使いやすいものにする取り組みを行っていた」と同社は述べた上で、「HuaweiがFacebookのユーザーデータを収集したり保管したりしたことは一度もない」と明言している。
FacebookとHuaweiによるこの取り決めは、The New York Timesが3日付の別の記事で報じた事例の1つのようだ。この記事によれば、Facebookは少なくともデバイスメーカー60社に対して、大量のユーザーデータへのアクセスを認めていたという。これらのメーカーには、Amazon、Microsoft、Samsung、BlackBerryなども含まれていた。
The New York Timesの記者はテストのために、2013年のBlackBerryデバイスを使って、約550人の友達のいるFacebookアカウントにログインし、そのデバイスで要求されたデータや受け取った情報を監視した。「The Hub」というBlackBerryアプリを通して、そのデバイスは(Facebookの友達の友達などを含めて)最大29万5000人のFacebookユーザーの情報を取得することに成功した。
データ分析企業Cambridge Analyticaが、膨大な数に上るFacebookプロフィールからの個人情報を、ユーザーの同意を得ることなく取得していたことが3月に発覚して以来、Facebookは難しい立場に立たされている。Zuckerberg氏自身もここ数カ月間、欧州連合(EU)の欧州議会との会合や米国議会の公聴会にも出席し、Facebookでの利用者情報の扱いを説明してきた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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