VR作成ツール「InstaVR」を提供するInstaVRは6月4日、総額5億2000万円の資金を調達したことを発表した。引受先は、YJキャピタルをリードインベスターとし、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、みずほキャピタル、グリーベンチャーズ、Colopl VR Fund、The Venture Reality Fund。
これにあわせて、新たに人材育成VRプラットフォームの提供を開始する。InstaVRの独自VR再生プレイヤーを拡張することで、実際に撮影した時間の10〜20倍の時間を必要とするVR撮影後の現像工程(ステッチ) を不要にすることに成功したという。
同社では、人材育成に場所、機材、燃料などを必要とする作業の訓練や実地訓練、接客や熟練従業員などの講師が必要な場合において、十分な訓練や研修の機会を提供できないことによる戦力化の失敗、離職による採用コストや育成コストの増大、顧客への提供価値の低下による売上減などの課題が発生していると説明。人材育成VRプラットフォームを活用することで、特別な知識や待ち時間を必要とせず、訓練や研修を簡単にVR化して配信できるため、これらの課題を解消できるとしている。
一例として、すでに人材育成VRプラットフォームを導入している米国の農務省では、食肉加工工場のライン作業の訓練をすべてVR化することで、訓練時間が3分の1に短縮されたほか、年間研修費用が5分の1に削減、離職率も10%以上低下させることに成功しているという。また、採用にもVRを活用することで、採用効率も数%向上し、大きな成果を残しているとのこと。
同社では、今回調達した資金によって開発体制や事業体制を増強。人材育成VRプラットフォームをはじめとする事業用途に特化したプラットフォーム事業の開発や市場展開を進めるとしている。また、約1億再生分の視線データや、視野内の物体を人口知能によって認識した100億個超のタグデータを保持していることから、機械学習や人口知能の研究開発を推進し、試聴データを事業活用するとしている。
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