AIベンチャーのエクサウィザーズ、産業革新機構らから8.9億円の資金調達

 エクサウィザーズは3月29日、産業革新機構(INCJ)から成長資金として3億円を上限とする投資契約を締結し、同額の投資が実行されたと発表した。またINCJを含む合計8社(SOMPOホールディングス、三菱東京UFJ銀行、D4V1号投資事業有限責任組合、アイエスジーエス1号投資事業有限責任組合、Scrum Ventures Fund III LP、SMBCベンチャーキャピタル4号投資事業有限責任組合、IDATEN Ventures1号投資事業有限責任組合)から総額8.9億円の資金を調達している。

 同社は、産業革新機構と産業界や行政との連携を進め、超高齢社会に代表される社会課題の解決に寄与することを目指す。

 高齢社会の到来や労働力人口の減少に代表される社会課題に対し、認知症ケア技法「ユマニチュード」の普及、熟練者の技能をAIが学習して介護者の育成をサポートする「コーチングAI」の開発、医療・介護領域を中心としたさまざまな産業に対するAIの利活用といった取り組みを行ってきた。

 同社は今回の支援を受け、(1)AIを活用した科学的裏付けに基づくケアの確立(ケアのエビデンス・ベースド化)、(2)AIを活用した自治体向け介護データ解析サービスの無償提供、(3)認知症ケア技法「ユマニチュード」の普及、(4)ケア指導技術「コーチングAI」の開発と普及の4つの取り組みを実施する予定。

 INCJでは、同社がもつ高いAI技術と、認知症ケア技法「ユマニチュード」の組合せによって生まれるサービスが、超高齢社会が抱えるさまざまな課題を解決することに寄与すると考えている。さらには、ICTヘルスケア分野で社会課題の解決を目指す企業への投資を推進しており、同社とそれら企業との医療・介護領域におけるシナジーも期待しているという。

認知症ケア技法「ユマニチュード」認知症ケア技法「ユマニチュード」

 また、同社は3月27日に三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社であるJapanDigitalDesignと金融領域のサービス開発加速化を目的に業務提携することで合意。この提携に伴い、三菱東京UFJ銀行は、エクサウィザーズに出資したと発表している。さらに3月28日、SOMPOホールディングスと超高齢社会における介護や認知症に関わる社会的課題の解決に向けて共同で取り組むことを目的とした資本業務提携を締結したと発表。

 同提携により、SOMPOホールディングスの介護事業を担うSOMPOケアグループと共に介護施設における利用者の認知症行動・心理症状の軽減と介護スタッフの業務負担の軽減を目指す。さらに、SOMPOケアグループ施設に対するユマニチュードの導入に向けた取組みを開始する。

 この他、画像・音声・テキストデータなどを解析することで、熟練者のケア技能の特徴を抽出し、初心者の学習を支援する教育サービス「コーチングAI」に対し、SOMPOケアグループとの共同実証実験を行い、同サービスの事業化を加速させるという。また、認知症の早期発見・予防に向けたサービスの開発にも取り組む。

 両社は今回の資本業務提携を機に、認知症高齢者に対する介護サービスの品質向上に資する取組みを実施し、広く社会に提供することを通じて、超高齢社会における社会課題の解決を目指すという。

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