Plug and Play Japanは5月29日、6月から開始するアクセラレーションプログラム「Batch1」の開催を控え、活動内容や企業パートナーを紹介するメディアラウンドテーブルを開催した。
Plug and Playは、米国シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタル。多くのベンチャーへの投資実績を持つほか、世界各国でベンチャーを支援するアクセラレーター、大手企業のイノベーションをサポートする役割も果たし、同社では「シリコンバレー発の大企業×ベンチャーのイノベーションプラットフォーム」と位置付けている。
シリコンバレーでは、「Brand&Retail」を皮切りに、「Fintech」「Insurtech」「IoT」「Mobility」など14のテーマ別にアクセラレーションプログラムを運営。2017年は262社への投資を実施しており、支援した企業の調達総額は60億米ドルに上る。
Plug and Play Japanは、日本の拠点として2017年7月に活動を開始。東京都渋谷区にコワーキングスペースも設けた「Plug and Play Shibuya by 東急不動産」を構えている。
Plug and Play Japanのマネージングパートナーであるヴィンセント・フィリップ氏は「世界26拠点でアクセラレータプログラムを運営するグローバルな環境を提供。シリコンバレーでは、約250社の大手企業がパートナーとして参画している」とPlug and Playの特徴を話す。250社のうち40社が日系企業となり、この数は米国企業に続く2番目の多さだという。
フィリップ氏は「シリコンバレーで活躍する企業は増えているが、日本企業×海外ベンチャーの成功事例は少ない」と現状を指摘する。その原因は、ベンチャーと協業する社内理解が進んでいない、英語、米国の商習慣、日本企業との提携の優先度が低いベンチャーが多いなどさまざまだ。
Plug and Playは、ピッチイベントやベンチャー企業への派遣などを通じて、企業のイノベーション風土醸成を支援する、海外のベンチャーを一定期間来日させ、Plug and Playのメンバーが商談をサポートするなど、ベンチャーと日本企業の協業を進めるための解決策を用意している。
一方で、日本のベンチャーを海外の企業に紹介することにも積極的で、「インバウンド、アウトバウンドともにベンチャーを支援する環境を整える」(フィリップ氏)と話す。
ベンチャーを支援する足がかりの1つとなるのが、「Batch」だ。これはベンチャーを対象にしたアクセラレータプログラムで、3月から募集を開始したBatch1では、約200社の応募があったとのこと。この中から最終的に50社を採択し、3カ月間のプログラムを提供する。
ラウンドテーブルには、企業パートナーとしてSOMPOホールディングスと日立製作所も登壇。SOMPOホールディングスデジタル戦略部部長の中島正朝氏は「Insurance(保険)」は、元々テーマとして存在していなかったが、保険関連企業4社で立ち上げ今や大きなプログラムの1つになった。新規事業はデジタル戦略部を立ち上げ、東京とシリコンバレー、イスラエルに『ラボ』を開設している。シリコンバレーでのラボ開設時にPlug and Playを知り、参加した」と、Plug and Playに参加したきっかけを話した。
4月にPlug and Play Japanとパートナーシップ契約を結んだ、日立製作所の金融システム営業統括本部事業企画本部シニアエバンジェリストである長稔也氏は「日立は、自分でやれることは自分でやる、自主開発が好きな会社。しかし、それでは現在のビジネスのスピードに追いついていかない。スピード感を重視するためにベンチャーと協業していきたい」と今後の方針を示した。
Plug and Play Japanでは、今後「Sports Tech」や「IoTイベント」なども実施していく予定。9月5~6日には「Batch1 EXPO」としてピッチイベントを開催する。
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