三井不動産は5月15日、大手企業の新規事業創造をサポートする、オープンイノベーション支援プログラム「イノベーション・ビルディングプログラム」を開始すると発表した。東京都千代田区にある「東京ミッドタウン日比谷」にビジネス創造拠点「BASE Q」を設け、コミュニティスペースやイベントスペースとして活用する。
イノベーション・ビルディングプログラムは、新規事業を立ち上げたい、もしくは立ち上げているがうまくいかない、と考えている大手企業向けに提供するもの。ベンチャー企業等と連携したビジネス創出活動を伴走型で支援し、企業内で新たなビジネスを立ち上げる「イントレプレナー」を育成する。
三井不動産、電通、EY Japanの3社が専属コンサルタントとして参加しており、「戦略整理」「探索・マッチング」「協業・共創」と、イノベーション創出に必要な3つのフェーズを、一気通貫で伴走する「伴走コンサルタント」制度を採用。このほか、自社以外の領域に関する最新の知見を体系的に整理し、教える「Qスクール」、多様な出会いを実現するコミュニティを形成する「コミュニティ/Qラウンジ」、新たな価値創出と社会課題解決をテーマとしたイベントの実施など、多角的に新規事業を支援する。
三井不動産ベンチャー共創事業部事業グループ統括の光村圭一郎氏は「一番変わらなければいけないのは大手企業。必要なリソースがあるのに活用されておらず、大手企業が“通せんぼ”するのでイノベーションが進まない。三井不動産は自らも顧みつつ、この現状に強い危機感を持っている」と、イノベーション・ビルディングプログラムを立ち上げる意味を話した。
今回のプログラムを通して目指すのは、新規事業をビジネスとして結果出すことと、大手企業内で新たな事業の立ち上げを牽引するイントレプレナーの輩出。光村氏は「日本トップレベルのイントレプレナーの聖地を作る」と意気込む。
三井不動産では、東京・日本橋にコワーキングスペース「31VENTURES Clipニホンバシ」を構え、ベンチャー企業の支援にも取り組んでいる。三井不動産代表取締役副社長執行役員の北原義一氏は「ベンチャーの支援とBASE Qは車の両輪」と位置づけており、同日には、総額300億円のベンチャー投資事業を、独立系ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインと共同で開始することも発表した。
イノベーション・ビルディングプログラムは、現在10社をめどに提供していく予定で、1社あたり10名が利用できるプログラム内容を実施していく計画。プログラム費用については非公表としており、金額は明らかにしなかった。光村氏は「優れたイントレプレナーを覚醒させていきたい」とコメントした。
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