米Amazonのショッピングサイトから追放されたMarkさん(仮名、22歳学生)の体験談をご紹介する。
MarkさんとAmazonの険悪な関係は、彼が約3年前にAmazonから「お客様が注文された商品が複数回にわたって返品されていることが確認されました」と書かれた電子メールを受け取ったところから始まる。
それから何カ月か経ち、Markさんは返品が多過ぎることを理由にAmazonから締め出された。しかし、彼は試行錯誤を繰り返し、Amazonの利用を再開するところまでこぎ着けている。
Markさんは先週、米CNETの取材に応じ、Amazonに締め出されてから利用を再開するまでの、いたちごっこの戦いについて語ってくれた。彼は「Amazonがこのような取り締まりをする理由はよく分かる」「ことの顛末を一通り経験したので、問題を防いだり、将来的に回避したりする方法も分かった」という。彼は他の利用者が同じ目に遭わないよう、そして、利用を停止されたとしても、再開の余地はあることを知ってもらえるように、取材に応じてくれた。
先週、返品の条件が寛大と思われてきたAmazonの知られざる商慣習についてThe Wall Street Journalが報じてから、Amazonが返品を過剰に繰り返す顧客の利用を停止するというニュースが注目された。Amazonは利用停止のような「対応はまれ」だとしつつも、このような対応を受けた顧客の数は明らかにしていない。
同社は米国時間5月22日の声明で、顧客のアカウントを「軽々しく停止すべきではないと認識している。しかし、世界に3億人の顧客を擁する中で、顧客のエクスペリエンスを守るうえで適切だと思えば、措置をとることもある」と述べている。
本稿についてもAmazonにコメントを求めたが、回答は得られていない。同社は返品の条件ポリシーの中で、返品回数の上限には触れていない。しかし、利用規約には、同社が「その裁量の下で、サービスの拒否、アカウントの停止、Amazon Servicesの利用許諾の解除、コンテンツの削除と編集、注文のキャンセルを行う権利を留保」すると書かれている。Markさんの場合は、数カ月にわたって1週間おきに商品を1〜2個返品していたところから目を付けられたようだ。
Amazonは現在、Amazon Prime会員からの注文が増えて膨らむ一方の配送料を抑えようと努めている。同社は2017年、配送料に217億ドル(約2兆4000億円、総売上の12%に相当)を費やしており、世界最大手のネット通販企業でありながら薄利に悩まされてきた。そのことからも、同社は返品状況をチェックする必要性を説く。また同社は先ごろ、Primeサービスの(米国での)年会費を99ドルから119ドル(約1万3000円)に値上げしている。
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