Amazonの最高経営責任者(CEO)であるJeff Bezos氏は、全世界での「Amazon Prime」有料会員数が1億人を突破したことを明らかにした。
株主宛て年次書簡で明かされたこの大台突破のニュースは、同社の技術革新と新たな市場を見つける才覚を示す例として使われた。
同社が大成功を収めたことで、Bezos氏の年次書簡は、ビジネスやテクノロジに携わる人間が必ず目を通すべきものになった。
いかに高い基準を同社が目指してきたかを示す例として、Primeのほか、「Amazon Web Services(AWS)」や「Alexa」などに関する成果が挙げられた。
Bezos氏の2018年の書簡から、経営に関する重要なメッセージをいくつか紹介する。
顧客の期待は高まる一方なので、高い基準が求められる。Bezos氏は次のように述べた。
顧客に関して、私が非常に気に入っていることが1つある。それは、彼らが神のように不満を抱いていることだ。その期待は決して止まらず、高まり続ける。それは人間の性だ。人間は満足することによって、狩猟採集の時代から進歩したわけではない。人間は、よりよい方法を貪欲に求める。昨日の驚異は、すぐに今日の「普通」になってしまう。私は、その改善サイクルがかつてないほど高速に回転する現状を目の当たりにしている。
常に期待を上回りたいのなら、失敗を恐れてはいけない。
高い基準は教えることができる。Bezos氏は次のように述べた。
高い基準を教えるのは可能だと私は考えている。実際に、人間は直接的な体験だけを通して、高い基準を学習するのが非常に得意だ。高い基準は伝播する。高い基準を持つチームに新しい人間を加えると、彼らはすぐに適応する。その逆もまた真だ。低い基準が支配的になったら、それもすぐに広まってしまう。
高い基準は分野に固有のものだ。興味のある全ての分野で、高い基準を学習する必要がある。
各分野での成功とはどのようなものなのか、そして望ましい結果を出すことがどれほど大変かを、現実的に推測する必要がある。
基準は「PowerPoint」でもたらされるものではない。Bezos氏は次のように述べた。
Amazonでは、PowerPoint(または他のスライド形式のもの)を使ったプレゼンテーションはやらない。その代わりに、物語形式の6ページのメモを書く。そして、「自習室」のような部屋で、会議の最初にそれを黙読する。もちろん、これらのメモの品質は、ばらつきが大きい。中には天使の歌のように明快なものもある。それらは華麗で思慮深く、会議で質の高い議論をする雰囲気を作り出してくれる。それとは逆に、ひどいメモもある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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