スマートフォンというか携帯電話の発明により、電話がどこまでも追いかけてくる世の中になってしまった。もちろん便利な一方、電話に出られない状況での着信は困る。留守番電話で用件を聞いたり、ドライブモードで自動応対させたりする方法はあるが、味気ないうえ適切な返答ができないことも多い。
そこで、アップルは状況にふさわしい対応をしつつ着信拒否する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間5月24日に「INTELLIGENT DIGITAL ASSISTANT FOR DECLINING AN INCOMING CALL」(公開特許番号「US 2018/0146089 A1」)として公開された。出願日は2017年10月20日。
この特許は、着信を受ける機能のある何らかの電子デバイスがユーザーの状況に応じて着信を拒否するのだが、拒否時にさまざまな方法で自動応答する技術を説明したもの。特に、スマートフォン単体やスマートフォンと連携可能な自動車の制御パネルを使っていて、運転中に着信を拒否する例で処理の流れが示されている。
たとえば、電話がかかってくると、着信を知らせる画面には「妻」といった発信者の名前のほか、電話に出るかどうか選ぶボタンが表示される。また、音声で「『妻』から電話です。出ますか?」といった通知をする処理も可能だ。また、着信の種類は電話に限らず、ビデオ通話、メール、チャットなど、さまざまなコミュニケーション手段が想定できる。
このとき着信拒否をボタン操作なり音声コマンドなりで指示すると、状況に合わせて返信の案をシステムが作ってくれる。ユーザーは、画面操作や音声コマンドでメッセージを選べば、適切な情報を相手に伝えつつ着信を断れる。自動車で移動中ならば、位置情報や移動速度から相手の居場所への到着時刻を予測して「あと63分で着きます」など、より細やかに返信する処理も考えられる。
電話に出られない状況でもこのように柔軟な方法で着信を断れれば、発信者に納得してもらいやすくなり、着信を安心して拒否できるだろう。そのため、運転中に無理して電話を受ける必要がなくなるなど、さまざまなメリットが得られそうだ。
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