バーコードは、1952年にはすでに特許が取得されている。Alan Turingがチューリングテストを発表したのと同じ頃である。だが、商用化されたのは1974年になってからだった。バーコードのスキャンに必要なレーザー技術が、1970年代にならないと登場しなかったからだ。
記念すべき日は、1974年6月26日。霧雨の降る水曜日のオハイオ州トロイでのことだった。スーパーマーケット「Marsh」のレジ係Sharon Buchananさんが、Clyde DawsonさんからWrigleyの「Juicy Fruit」ガム1個を受け取り、設置したばかりのバーコードリーダーにかざした。世界で初めて、バーコードをスキャンして商品価格が読み取られた瞬間だ。この日を境に、世界中の小売店とサプライチェーンは、新しい時代に入ることになる。
次点:マイクロコンピュータキット「Mark-8」と、ルービックキューブある意味では、「Altair 8800」もギークなテクノロジ愛好家向けのコンピュータキットの1つにすぎなかった。だが、Altair 8800は世界を変えた。Altair 8800は「Popular Electronics」誌1975年1月号の表紙を飾り、同年にマイクロプロセッサベースのコンピュータとして初めて商業的にも成功を収めた。
だが、それだけであれば、1975年はベータマックスの年としてもよかった。何といっても、ホームビデオは今でも大きな市場だからだ。だが、Altairはパーソナルコンピュータビジネスの先駆けとなっただけでなく、Microsoft誕生のきっかけにもなった。Altair 8800用にオリジナルのBASICインタプリタを書いたのが、Bill Gates氏とPaul Allen氏であり、それがMicrosoftの誕生につながったという話は、あまりにも有名だ。そのストーリーの、最初の章こそがAltair 8800なのである。
次点:ベータマックス1976年は、技術ではなく会社としてのAppleの年としたい。取り組んでいたのは実際にはコードで、この会社のDNAをつき動かしていたのは創業者たちの個性と価値観、イノベーションを生み出す洞察力だった、とも言える。
Appleの場合には、確かにそれが当てはまる。創業者は故Steve Jobs氏と、Steve Wozniak氏、そしてRonald Wayne氏のことも忘れないでおこう。今や世界で最も企業価値が高くなった会社の株の持ち分を、当時800ドルで売ってしまった不運な人物だ。
次点:「Apple I」(会社とその創業者たちほど世界を変えたとは言えないマシン)そして、今度はApple製コンピュータの出番である。Apple IIは、パーソナルコンピュータの様相を変えただけでなく、ほかにも大きな変革をもたらした。そのひとつが、世界初の商用表計算ソフト「VisiCalc」だ。
コンピュータを使ったメーリングリストは何年も前から「ARPANET」(インターネットの前身となるネットワーク)上に存在していたが、私たちが現在知っているフォーラムやBBS(電子掲示板)の前身が生まれたのは、1978年になってからだった。その年の冬、Ward Christensen氏とRandy Suess氏が猛吹雪のために家から出られなくなったときのことである。Christensen氏はすでに、ファイル転送のためのMODEMという正規プロトコルを作成していた(今ではXMODEMという名で知られている)。
何もできずに退屈を感じていたであろうChristensen氏とSuess氏が作ったのが、「CBBS」というダイヤルインのフォーラムシステムで、それが世界初のBBSとなった。電話は1回線しかなかったため、参加者は前のユーザーが電話を切るのを待ってからアクセスしなければならなかった。
BBSの存在意義については、プラスの評価もマイナスの評価もある。BBSがなければ、オンラインに今ほど多くの「荒らし」はなかったかもしれない。だか、BBSは初期のソーシャルネットワークでもあった。消費者と利害関係者が集まって影響力が増大し、情報を共有する場になった。
今から考えると信じがたいことだが、ひとりひとりがプライベートで音楽を聞くという発想は、1979年以前には存在しなかった。家庭用ステレオでアルバムレコードを再生するか、ラジカセでカセットテープの音楽を隣近所まで鳴り響かせるしかなかったのだ。
だが、1979年、ソニーがウォークマンを発表したことで、ようやく誰にも邪魔されずに自分の好きな音楽を聞けるようになった。このおかげで、家族が口げんかすることも減り、働いている人が作業中に自分の好きな音楽を聞くことも可能になった(もちろん、それが適切な場合に限る)。そして、音楽業界全体に恩恵がもたらされた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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