Qualcommが米国時間5月23日、スマートフォンで人工知能(AI)向けの処理をするために設計された「Snapdragon 710 Mobile Platform」を発表した。
発表によると、Snapdragon 710はAI向けの処理を行うよう、高効率なアーキテクチャを採用し、マルチコアのAIエンジン、ニューラルネットワーク処理のための機構も搭載する。
Qualcommにとって700番台の製品はこれが初めて。600番台に比べ、パフォーマンスが「大幅」に改善されたという。同社は700シリーズが、今日のハイエンドなモバイル端末で期待されるよりも高い性能を実現し、「より広い顧客層に上質で高度な機能を提供する」ことを願っている。
なかでも大きく改善したのは、マルチコアのAIエンジンだ。Snapdragon 710はSnapdragon 660に比べて、AIアプリケーションの処理性能が2倍に向上したと、同社は述べる。また写真や動画を状況に応じてキャプチャー、共有したり、自然なやりとりを実現するために音声や会話のパターンをパーソナライズ化できるという。
新しく設計された「Spectra 250 ISP」を搭載し、光量の少ない環境での写真や動画の撮影を改善し、手ぶれ防止、高速なオートフォーカスをサポートする。
またSnapdragon 710は800番台以外で初めて、動画やアプリの閲覧時の4K HDR再生をサポートするほか、「Snapdragon X15 LTE」モデムを備え、ダウンロード時の最大速度800Mbpsを実現した。2波キャリアアグリゲーション、4x4 MIMO技術を搭載し、電波の弱い環境での受信速度を改善する。「Qualcomm Hexagon DSP」「Qualcomm Adreno Visual Processing」「Qualcomm Kryo CPU」も搭載し、AIアプリケーションの高速かつ効率的な処理をサポートする。
Qualcommによると、新製品の電力消費はSnapdragon 660に比べて、ゲームやHDR動画再生時は40%、動画ストリーミング時は20%低減しているそうだ。
また(ARM Cortexをベースにした)Kryo 360を採用したことにより、Snapdrgaon 660と比較して処理性能が20%向上。ウェブブラウジングの処理は25%高速化し、アプリの起動にかかる時間も15%短縮したという。「Quick Charge 4+」技術のおかげで、15分以内に充電量が50%に到達するという。
Snapdragon 710はすでにベンダーに提供が開始されており、2018年第2四半期には採用した端末が登場する見込みだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス